「条件がたくさんあって、頭の中で整理しきれない」「うそつきが1人いる問題で、どこから考えればいいか分からない」
推理の問題(条件整理)は、中学受験の算数で、計算よりも「筋道立てて考える力」が問われる単元です。いくつかの条件から、だれが何をしたか、順位はどうなったかなどを決めていきます。表や図に整理する方法を知っていれば、むずかしそうな問題も確実に解けます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、推理の問題の基本の整理のしかたと、よく出るパターンの解き方をまとめました。
推理の問題の基本
推理の問題は、次の手順で解きます。
- 条件を1つずつ読み、短く書き出す
- 表や図をかいて、確実に分かることから書きこむ
- 書きこんだ結果から、新しく分かることを探す
- 答えが出たら、すべての条件に合っているか確かめる
推理の問題は「頭の中で考えない」。表や図に書きこんで、確実なことから決めていきます。
〇×表で整理する

例題1:A・B・Cの3人は、サッカー・野球・水泳のうち、それぞれちがう1つをしています。Aはサッカーをしていません。Bは野球をしていません。Cは水泳も野球もしていません。それぞれ何をしていますか。
〇×表をつくり、条件から×を書きこみます。Cは水泳でも野球でもないので、サッカーに〇がつきます。サッカーの列のAとBは×になります。Bは、野球とサッカーが×なので水泳です。残ったAは野球です。
〇が1つ決まったら、同じ行と同じ列のほかのマスはすべて×にします。
順位を決める問題
例題2:A・B・C・Dの4人が競走しました。BはAより先にゴールしました。CはDのすぐあとにゴールしました。Aは2位でした。4人の順位を答えましょう。
Aは2位で、BはAより先なので、Bは1位です。残りは3位と4位で、CはDのすぐあとなので、Dが3位、Cが4位です。順位は、B・A・D・Cです。
順位の問題では、横に1位から順に□を並べて書き、決まった人から書きこむと分かりやすくなります。「すぐあと」と「あと(間にだれかいてもよい)」のちがいにも注意しましょう。
「すぐあと」は、となり合っている。「あと」は、間にほかの人がいてもよい。
うそつきが1人いる問題
例題3:A・B・Cのうち1人が花びんを割りました。3人のうち1人だけがうそをついています。A「Bが割った」、B「Cが割った」、C「Bは割っていない」。花びんを割ったのはだれですか。
うそをついているのがだれかで、場合を分けて調べます。
- Aがうそのとき:Bは割っていない。Bは本当なので、Cが割った。Cの「Bは割っていない」も本当で、合っている
- Bがうそのとき:Cは割っていない。Aは本当なので、Bが割った。するとCの「Bは割っていない」もうそになり、うそつきが2人になるので合わない
- Cがうそのとき:Bが割った。するとBの「Cが割った」もうそになり、合わない
条件に合うのは、Aがうそをついている場合だけなので、割ったのはCです。
うそつき問題は「だれがうそをついているか」で場合を分け、全部の場合を調べて矛盾しないものを選びます。
試合の数
リーグ戦(総当たり戦)
どのチームとも1回ずつ試合をする方法です。試合の数は、次の式で求められます。
チームの数×(チームの数-1)÷2
例題4:4チームでリーグ戦を行います。試合は全部で何試合ですか。
4×3÷2=6試合です。1チームは3試合ずつしますが、AとBの試合と、BとAの試合は同じなので、2でわります。
トーナメント戦
負けたチームから順にぬけていく方法です。1試合で1チームが負けてぬけるので、優勝チーム以外の全部のチームが1回ずつ負けると終わります。試合の数は「チームの数-1」です。
リーグ戦の勝敗表
リーグ戦の結果は、勝敗表に整理します。
例題5:A・B・C・Dの4チームがリーグ戦をしました(引き分けはなし)。Aは3勝、Bは2勝、Cは1勝しました。Dは何勝しましたか。
4チームのリーグ戦は6試合で、1試合につき1チームが勝つので、勝ち数の合計は6です。Dの勝ち数は、6-3-2-1=0勝です。
引き分けのないリーグ戦では、全チームの勝ち数の合計=試合数になります。
勝敗表では、表の対角線をはさんで、一方が〇なら反対側は×になります。この性質を使うと、表の空いたところをうめていけます。
よくあるまちがいと対策
- 条件を頭の中だけで考える:必ず表や図に書きこむ
- 〇を決めたあと、同じ列を×にし忘れる:〇を書いたら、すぐに行と列を確かめる
- うそつき問題で、1つの場合だけ調べて答える:全部の場合を調べる
- リーグ戦の試合数で、2でわり忘れる:同じ組み合わせを2回数えている
家庭での教え方のコツ
パズルを親子で楽しむ
推理の問題は、パズルのように楽しめる単元です。市販の論理パズルや、親子で作った簡単な問題で遊んでみましょう。考えることが楽しくなると、自然に力がつきます。
条件を「短く書く」練習
長い問題文を読んだら、条件を「A×サッカー」「B<A」のように短く書き出す練習をしてください。条件整理の第一歩になります。
答えをすべての条件で確かめる
答えが出たら、問題文の条件に1つずつ当てはめて、すべて合っているかを確かめる習慣をつけましょう。推理の問題では、確かめがとても大切です。
推理の問題のよくある質問
何年生で学びますか?
中学受験向けの教材では、4〜6年生の各学年で、少しずつむずかしくなりながら出てくる単元です。特別な計算の知識はいらないので、低学年からでも取り組めます。
場合の数の単元とどうつながりますか?
試合の数や、条件に合う組み合わせを数える問題は、場合の数と同じ考え方を使います。場合の数もあわせて練習しましょう。
苦手な子はどうすればいいですか?
まずは3人・3種類くらいの小さな〇×表の問題から始めましょう。表に書きこむ手順に慣れると、条件の多い問題にも対応できるようになります。
練習問題にチャレンジ
問題1:5チームでリーグ戦を行います。試合は全部で何試合ですか。
問題2:A・B・Cの3人は、犬・ねこ・鳥のうちちがう1つを飼っています。Aは犬もねこも飼っていません。Bはねこを飼っていません。それぞれ何を飼っていますか。
問題3:A・B・Cの3人が競走しました。AはBより先に、CはAより先にゴールしました。順位を答えましょう。
問題4:6チームでトーナメント戦を行います。試合は全部で何試合ですか。
答え
問題1:5×4÷2=10試合です。
問題2:Aは鳥、Bは犬、Cはねこです。
問題3:1位C、2位A、3位Bです。
問題4:6-1=5試合です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:推理は「表に書いて、確実なことから」
推理の問題は、条件を短く書き出し、〇×表や順位の図に整理して、確実に分かることから決めていきます。うそつき問題は場合分けをして全部調べ、試合の数は式で求めましょう。答えが出たら、すべての条件で確かめることが大切です。