「ねんどを細かく分けると、重さが軽くなる気がする」「同じ重さの鉄とアルミニウムでは、どちらが大きいのか分からない」
ものの重さと密度は、中学受験の理科で、物理・化学分野の計算問題の土台になる単元です。形を変えたときの重さ、同じ体積での重さのちがい、1cm³あたりの重さを使った計算、水にうくかしずむかなどが問われます。浮力や水溶液の濃さの問題にもつながります。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、ものの重さの基本の性質と、密度の考え方・計算をまとめました。
形を変えても重さは同じ
ねんどを丸めたり、平たくのばしたり、いくつかに分けたりしても、全体の重さは変わりません。ものの重さは、形によって変わらないからです。
例題1:100gのねんどを、細かく10個に分けました。10個を全部合わせると、重さは何gですか。
形や分け方を変えても重さは変わらないので、100gです。
形を変えても、分けても、ものの重さは変わりません(何かを足したり、取ったりしない限り)。
同じように、氷がとけて水になっても、重さは変わりません。ものがとけたり、すがたが変わったりしても、全体の重さは同じです。食塩を水にとかしたときも、食塩水の重さは「水の重さ+食塩の重さ」になります。
同じ体積でも、物によって重さがちがう

同じ大きさ(体積)でも、物の種類によって重さはちがいます。例えば、同じ大きさの鉄とアルミニウムと木では、鉄が最も重く、木が最も軽くなります。
1cm³あたりの重さ(密度)
物の種類ごとの重さの比べ方として、1cm³あたりの重さを使います。これを密度といいます。
1cm³あたりの重さ(密度)=重さ÷体積
| 物 | 1cm³あたりの重さ(およそ) |
|---|---|
| 鉄 | 7.9g |
| 銅 | 9.0g |
| アルミニウム | 2.7g |
| 水 | 1g |
| 氷 | 0.92g |
密度は「重さ÷体積」。物の種類によって決まった値になるので、物を見分ける手がかりになります。
密度を使った計算
例題2:鉄の1cm³あたりの重さを7.9gとすると、体積20cm³の鉄の重さは何gですか。
7.9×20=158gです。
例題3:重さ54g、体積20cm³の金属があります。この金属は、鉄とアルミニウムのどちらと考えられますか。
1cm³あたりの重さは、54÷20=2.7gです。アルミニウムと考えられます。
重さ=密度×体積、体積=重さ÷密度。速さの3つの式と同じ形で使えます。
同じ重さなら体積はどうなるか
例題4:重さが同じ鉄とアルミニウムでは、どちらの体積が大きいですか。
1cm³あたりの重さが小さいアルミニウムのほうが、同じ重さにするには多くの体積が必要です。アルミニウムのほうが体積が大きくなります。
このように、「1cm³あたりの重さが小さい物ほど、同じ重さでは体積が大きい」という関係があります。
水にうくか、しずむか
1cm³あたりの重さを水(1g)と比べると、水にうくかしずむかが分かります。
- 水より小さい(1gより軽い):水にうく(木、氷、油など)
- 水より大きい(1gより重い):水にしずむ(鉄、アルミニウム、石など)
氷が水にうくのは、1cm³あたりの重さが約0.92gで、水より軽いからです。水が氷になると体積が大きくなるので、同じ重さでも1cm³あたりは軽くなります。
浮力の計算は、浮力で解説しています。
はかりの使い方
重さをはかる道具には、上皿てんびんや台ばかり、電子てんびんがあります。
- 上皿てんびん:はかるものを左の皿(右ききの場合)、分銅を右の皿にのせ、つり合ったときの分銅の合計が重さ。分銅は重いものからのせ、ピンセットで扱う
- 電子てんびん:水平なところに置き、入れ物をのせてから表示を0にすると、中身だけの重さがはかれる
体積のはかり方
形がふくざつな物の体積は、水を使ってはかることができます。
- メスシリンダーに水を入れ、目もりを読む
- 物を静かに水の中にしずめる
- 水面が上がった分が、物の体積になる
例題5:メスシリンダーに水を50cm³入れ、石をしずめたところ、目もりが62cm³になりました。石の体積は何cm³ですか。
62-50=12cm³です。
メスシリンダーの目もりは、水面のへこんだ部分の下のところを、真横から読みます。
ふくざつな形の物の体積は「水面が上がった分」ではかります。
よくあるまちがいと対策
- 形を変えると重さが変わると考える:形や分け方では重さは変わらない
- 大きいほうが重いと決めつける:物の種類によって1cm³あたりの重さがちがう
- 密度の計算で、体積÷重さとしてしまう:密度は「重さ÷体積」
- 金属はすべて水にしずむから、氷もしずむと考える:氷は1cm³あたり約0.92gで、水にうく
家庭での覚え方のコツ
ねんどで重さをはかる
キッチンスケールで、ねんどの重さをはかってから、形を変えたり分けたりして、もう一度はかってみましょう。重さが変わらないことが、自分で確かめられます。
同じ大きさの物を持ち比べる
同じくらいの大きさの、木のブロック、石、プラスチックの容器などを手に持って、重さを比べてみてください。同じ大きさでも重さがちがうことが実感できます。
速さの式とつなげる
「重さ=密度×体積」は、「道のり=速さ×時間」と同じ形です。速さの3つの式に慣れていれば、密度の計算もすぐにできるようになります。
ものの重さと密度のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の理科では、3年生で物と重さ(形を変えても重さは同じ、体積が同じでも物によって重さがちがう)を学びます。密度の計算は、中学受験向けの教材で、5〜6年生ごろに応用として学ぶことが多い内容です。
密度の数字は覚える必要がありますか?
水が1g、鉄が約7.9g、アルミニウムが約2.7gくらいを目安として知っておくと便利です。多くの問題では、必要な数は問題文に書かれています。
単位の換算は必要ですか?
はい、密度の問題では、cm³とL、gとkgなどの換算がよく出ます。単位の換算で確認しておきましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:重さ39g、体積5cm³の金属の、1cm³あたりの重さは何gですか。また、鉄とアルミニウムのどちらに近いですか。
問題2:アルミニウムの1cm³あたりの重さを2.7gとすると、体積10cm³のアルミニウムの重さは何gですか。
問題3:水250cm³の重さは何gですか。
問題4:1cm³あたりの重さが0.9gの油は、水にうきますか、しずみますか。
答え
問題1:39÷5=7.8gで、鉄に近いです。
問題2:2.7×10=27gです。
問題3:250gです。
問題4:水より軽いので、うきます。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:重さは「形で変わらない」、密度は「重さ÷体積」
ものの重さは、形を変えても分けても変わりません。同じ体積でも物によって重さはちがい、1cm³あたりの重さ(密度)で比べます。密度が水より小さい物は水にうき、大きい物はしずみます。重さ=密度×体積の関係を使って計算できるようにしましょう。