「犬を飼っている人とねこを飼っている人を足すと、クラスの人数をこえてしまう」「両方の人数の、最も少ない場合が分からない」
集合算は、中学受験の算数の文章題で、よく出題される単元です。いくつかの条件にあてはまる人数や個数を、重なりに注意しながら数えます。アンケートの結果や、倍数の個数など、いろいろな形で出ます。
集合算は、ベン図や表で整理すれば、ほとんどの問題が同じ考え方で解けます。この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、ベン図と表の使い方、よく出るパターンを整理し、家での教え方をまとめました。
ベン図で整理する

ベン図は、それぞれの条件にあてはまる集まりを円で表し、重なった部分を「両方にあてはまる」として表す図です。
例題1:クラス40人のうち、犬を飼っている人は18人、ねこを飼っている人は12人、両方飼っている人は5人です。どちらも飼っていない人は何人ですか。
犬とねこの人数を足すと18+12=30人ですが、両方飼っている5人を2回数えています。少なくとも一方を飼っている人は、30-5=25人です。どちらも飼っていない人は、40-25=15人です。
少なくとも一方=Aの人数+Bの人数-両方の人数。重なりを2回数えないように引きます。
ベン図をかくときは、重なりの部分から先に数を書き入れ、「犬だけ」「ねこだけ」の人数を出していくと、まちがいが減ります。この例では、犬だけが18-5=13人、ねこだけが12-5=7人です。
両方にあてはまる人数の最大と最小
例題2:クラス40人のうち、算数が好きな人は25人、国語が好きな人は20人です。両方好きな人は、最も多くて何人、最も少なくて何人ですか。
最も多いのは、国語が好きな20人が全員、算数も好きなときで、20人です。
最も少ないのは、どちらも好きでない人が0人のときです。25+20=45人は、40人より5人多いので、少なくとも5人は両方好きということになります。最も少なくて5人です。
両方の最大は「少ないほうの人数」、最小は「2つの合計-全体(マイナスなら0)」。
表で整理する
「男子・女子」と「めがねをかけている・いない」のように、2つの分け方がある問題は、表で整理すると分かりやすくなります。
例題3:クラス35人のうち、男子は18人、めがねをかけている人は12人、めがねをかけている女子は5人です。めがねをかけていない男子は何人ですか。
| めがねあり | めがねなし | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 男子 | 7 | 11 | 18 |
| 女子 | 5 | 12 | 17 |
| 合計 | 12 | 23 | 35 |
めがねをかけている男子は12-5=7人なので、めがねをかけていない男子は18-7=11人です。
2つの分け方がある問題は、たて・横の合計が合う表をつくると、空いているところがうまっていきます。
倍数の個数の問題
集合算の考え方は、倍数の個数を数える問題でも使います。
例題4:1から100までの整数のうち、2でも3でもわり切れない数は何個ありますか。
2の倍数は100÷2=50個、3の倍数は100÷3=33あまり1で33個、両方の倍数(6の倍数)は100÷6=16あまり4で16個です。2または3でわり切れる数は、50+33-16=67個です。2でも3でもわり切れない数は、100-67=33個です。
両方の倍数は、2つの数の最小公倍数の倍数です。
3つの集合
上位校では、3つの円が重なるベン図の問題も出ます。考え方は同じで、まんなかの「3つともあてはまる」部分から順に数を書き入れていくと、整理しやすくなります。
よくあるまちがいと対策
- 両方の人数を引き忘れて、2回数える:「A+B-両方」を必ず使う
- 「どちらもない」と「どちらか一方だけ」を混同する:ベン図で、円の外か、円の重なっていない部分かを確かめる
- 両方の最小で、マイナスの答えを出す:全体より合計が少ないときは、最小は0人
- 表のたてと横の合計を確かめない:表ができたら、合計が問題と合うか確かめる
家庭での教え方のコツ
家族でアンケートをとる
家族や親せきで、「ごはん派・パン派」「犬が好き・ねこが好き」のようなアンケートをとり、ベン図にまとめてみましょう。身近な人数で考えると、重なりの意味がよく分かります。
フラフープや輪で体験する
床にひもで2つの輪を重ねて置き、おもちゃや人形を条件ごとに入れてみてください。重なった部分に入るものが「両方」であることが、体で理解できます。
図と表を使い分ける
問題を読んで、「2つの条件のあるなし」ならベン図、「2つの分け方の組み合わせ」なら表、と使い分ける練習をしましょう。
集合算のよくある質問
何年生で学びますか?
中学受験向けの教材では、4〜5年生ごろに学ぶことが多い単元です。整数のたし算・ひき算ができれば取り組めますが、倍数の個数の問題は約数と倍数を学んでからになります。
ベン図はどこでも使えますか?
条件にあてはまる・あてはまらないの2つに分けられる問題なら、ほとんどベン図で整理できます。場合の数の問題で、重なりを数えるときにも役立ちます。場合の数もあわせて練習しましょう。
倍数の数え方が分かりません。
「1から100までの3の倍数は、100÷3の商の個数」という数え方を、約数と倍数で確認しておきましょう。
集合算の家での進め方
- ベン図と「A+B-両方」(例題1)
- 両方の最大と最小(例題2)
- 表で整理する問題(例題3)
- 倍数の個数の問題(例題4)
練習問題にチャレンジ
問題1:50人のうち、Aを持っている人は30人、Bを持っている人は25人、両方持っている人は10人です。どちらも持っていない人は何人ですか。
問題2:1から60までの整数のうち、3または5でわり切れる数は何個ありますか。
問題3:30人のうち、兄がいる人は12人、姉がいる人は10人、どちらもいない人は14人です。兄も姉もいる人は何人ですか。
問題4:40人のうち、算数が好きな人は30人、国語が好きな人は25人です。両方好きな人は、最も少なくて何人ですか。
答え
問題1:少なくとも一方は30+25-10=45人なので、50-45=5人です。
問題2:3の倍数20個、5の倍数12個、15の倍数4個なので、20+12-4=28個です。
問題3:少なくとも一方は30-14=16人です。12+10-16=6人です。
問題4:30+25-40=15人です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:集合算は「重なり」を図と表で整理する
集合算は、ベン図や表で整理し、「A+B-両方」で重なりを2回数えないようにするのが基本です。両方の最大は少ないほうの人数、最小は「合計-全体」です。2つの分け方がある問題は、たて・横の合計が合う表をつくりましょう。