「計算問題で、いつも1問か2問落としてしまう」「工夫すれば楽になる計算を、そのまま力ずくで計算して時間が足りなくなる」
中学受験の算数では、多くの学校で、試験の最初に計算問題が出ます。配点は大きくありませんが、ここで落とすと合格点に届きにくくなります。また、文章題や図形の問題でも、最後は計算で答えを出すので、計算の速さと正確さは算数全体の土台です。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、計算の順序、計算のきまり、よく出る数の組み合わせ、分数と小数の計算のコツを整理し、毎日の計算練習の進め方をまとめました。
計算の順序
計算は、次の順番で行います。
- かっこの中を先に計算する
- かけ算・わり算を、たし算・ひき算より先に計算する
- 同じ種類の計算は、左から順に計算する
例題1:20-12÷4×2 を計算しましょう。
わり算とかけ算を先に、左から計算します。12÷4=3、3×2=6です。20-6=14です。
計算の順序は「かっこ→かけ算・わり算→たし算・ひき算」。同じ種類は左から。
計算のきまり
交換法則と結合法則
- 交換法則:たし算とかけ算は、順番を入れかえても答えが同じ(a×b=b×a)
- 結合法則:たし算とかけ算は、どこから先に計算しても答えが同じ((a×b)×c=a×(b×c))
例題2:25×7×4 を工夫して計算しましょう。
25×4を先に計算すると100になるので、100×7=700です。
分配法則

分配法則は、計算の工夫でいちばん使うきまりです。
- a×b+a×c=a×(b+c)
- a×b-a×c=a×(b-c)
長方形の面積で考えると、たての長さが同じ2つの長方形をくっつけると、横の長さを足した1つの長方形になる、ということです。
例題3:23×17+23×13 を工夫して計算しましょう。
23が共通なので、23×(17+13)=23×30=690です。
同じ数をかけている部分を見つけたら、分配法則でまとめます。
よく出る数の組み合わせ
次の組み合わせは、覚えておくと計算がとても速くなります。
- 25×4=100
- 125×8=1000
- 37×3=111
- 0.25=4分の1、0.125=8分の1、0.75=4分の3
例題4:0.125×56 を計算しましょう。
0.125は8分の1なので、56÷8=7です。
3.14の計算
円の問題では、3.14のかけ算が何度も出てきます。分配法則を使って、3.14を最後に1回だけかけるようにします。
例題5:3.14×7+3.14×3 を計算しましょう。
3.14×(7+3)=3.14×10=31.4です。
等差数列の和
1から順に数を足していく計算は、次の式で求められます。
(はじめの数+終わりの数)×個数÷2
例題6:1+2+3+…+100 を計算しましょう。
(1+100)×100÷2=5050です。
同じだけ増えていく数の列(等差数列)なら、1から始まらなくても使えます。例えば、3+5+7+…+21は、数が10個なので、(3+21)×10÷2=120です。
分数と小数の計算のコツ
- 分数と小数がまざった計算は、分数にそろえるのが基本(0.2=5分の1のように直す)
- わり算は、わる数を逆数にしてかけ算に直す
- かけ算・わり算だけの式は、途中で約分してから計算すると、数が小さくなってミスが減る
- 帯分数は、かけ算・わり算の前に仮分数に直す
計算の途中で約分できるところを先に探すのが、正確に解くいちばんのコツです。
逆算
□を求める「逆算」もよく出ます。
例題7:(□+6)×3=45 の□にあてはまる数を求めましょう。
45÷3=15なので、□+6=15です。□=15-6=9です。
逆算は、計算の順序を逆にたどり、たし算はひき算に、かけ算はわり算に直して計算します。答えが出たら、元の式に入れて確かめましょう。
分数の計算の工夫
分数の計算でも、工夫できる問題がよく出ます。
例題8:2分の1+6分の1+12分の1 を計算しましょう。
通分すると、12分の6+12分の2+12分の1=12分の9=4分の3です。
このような問題は、「1×2分の1+2×3分の1+3×4分の1」と見て、2分の1は「1-2分の1」、6分の1は「2分の1-3分の1」、12分の1は「3分の1-4分の1」と分けると、1-4分の1=4分の3と求めることもできます。項の数が多いときに、とても役立つ工夫です。
分母が「連続する2つの数のかけ算」になっている分数は、ひき算に分けると消し合えます。
よくあるまちがいと対策
- たし算・ひき算を、かけ算・わり算より先に計算する:計算の順に番号をふってから計算する
- 小数点の位置をまちがえる:筆算で小数点をそろえ、答えのだいたいの大きさを見積もる
- 分数のわり算で、逆数にしわすれる:「わり算はひっくり返してかける」を口に出す
- 途中の式を書かずに暗算してまちがえる:途中の式は、見直せるように書く
家庭での教え方のコツ
毎日10分、決まった時間に
計算力は、毎日少しずつ続けることで伸びます。朝の10分など時間を決めて、5〜10問を毎日解く習慣をつけましょう。長い時間をまとめてやるより、効果が出やすくなります。
まちがえた問題の「原因」を記録する
計算ミスには、「順序」「小数点」「約分」「写しまちがい」など、子どもごとにくせがあります。まちがえた原因をノートに書きためると、くせが見えて、対策がしやすくなります。
工夫できる問題を親子で探す
計算問題を見たら、すぐに解き始めずに「工夫できるところはある?」と聞いてみてください。25と4、同じ数のかけ算などを見つける目が育ちます。
計算の工夫のよくある質問
計算問題は何問くらい出ますか?
問題数や難しさは、学校によって大きくちがいます。計算問題がない学校もあるので、志望校の過去問で、出題の形を確認しておきましょう。
計算が遅いのですが、どうすればいいですか?
まずは正確さを優先し、毎日の練習で少しずつ速さを上げていきましょう。よく出る数の組み合わせや3.14の段を覚えるだけでも、速さはかなり変わります。
計算ドリルは何を使えばいいですか?
学年に合った、1日分の量が決まっているドリルが続けやすいです。参考書選びは塾無しで目指す中学受験のおすすめ参考書ランキングも参考にしてください。
練習問題にチャレンジ
問題1:36÷(2+7)×5 を計算しましょう。
問題2:125×13×8 を工夫して計算しましょう。
問題3:47×19+53×19 を工夫して計算しましょう。
問題4:2+4+6+…+40 を計算しましょう。
答え
問題1:36÷9×5=4×5=20です。
問題2:125×8=1000なので、1000×13=13000です。
問題3:(47+53)×19=100×19=1900です。
問題4:数は20個なので、(2+40)×20÷2=420です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:計算は「工夫を探す目」と「毎日の練習」
計算は、順序を守ることと、分配法則やよく出る数の組み合わせを使って工夫することで、速く正確になります。3.14は最後にまとめてかけ、分数は途中で約分しましょう。毎日10分の練習と、ミスの原因の記録を続けることが、いちばんの近道です。
関連する単元は、円とおうぎ形の求め方、約数と倍数、規則性の問題で解説しています。算数全体の立て直しは中学受験の算数が苦手な原因と立て直し方も参考にしてください。