「江戸時代は260年以上もあって、何から覚えればいいか分からない」「享保・寛政・天保の改革で、だれが何をしたのか混ざってしまう」
江戸時代は、中学受験の社会の歴史で、最も多く出題される時代の1つです。約260年と長く、政治・外交・産業・文化・学問と、覚えることがたくさんあります。そのため、細かい知識から覚えようとすると、すぐに頭がいっぱいになってしまいます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、江戸時代を「前半(幕府のしくみづくり)」「中ごろ(改革と文化)」「後半(開国と幕府の終わり)」の3つに分けて整理し、家での覚え方をまとめました。
江戸時代の流れ

江戸時代は、1603年に徳川家康が征夷大将軍になり、江戸幕府を開いたところから始まります。そして、1867年に15代将軍の徳川慶喜が大政奉還を行い、政権を朝廷に返したところで終わります。
江戸時代は「1603年の江戸幕府」から「1867年の大政奉還」まで。前半・中ごろ・後半に分けて覚えます。
前半:幕府のしくみづくり
大名の区別
江戸幕府は、全国の大名を次の3つに分けて、配置を工夫しました。
| 区別 | どんな大名か | 配置 |
|---|---|---|
| 親藩 | 徳川家の親せき(尾張・紀伊・水戸の御三家など) | 重要な地域 |
| 譜代大名 | 関ヶ原の戦いの前から徳川家に従っていた大名 | 江戸の近くなど重要な地域 |
| 外様大名 | 関ヶ原の戦いのあとに従った大名 | 江戸から遠い地域 |
外様大名を江戸から遠いところに置いたのは、反乱を起こしにくくするためです。
武家諸法度と参勤交代
幕府は、武家諸法度という法律で大名を取りしまりました。城を勝手に修理することや、大名どうしが無断で結婚することなどを禁止しました。
3代将軍の徳川家光は、武家諸法度に参勤交代の制度を加えました。大名は、1年おきに江戸と領地を行き来し、妻と子は江戸に住まわせなければなりませんでした。行列や江戸での生活には多くのお金がかかり、大名の力を弱めることにつながりました。
鎖国
幕府は、キリスト教が広まることをおそれ、外国との行き来を制限しました。
- 1637年:重い年貢とキリスト教の取りしまりに反発して、島原・天草一揆が起こる
- 1639年:ポルトガル船の来航を禁止する
- 1641年:オランダ商館を長崎の出島に移す
こうして、貿易の相手を、キリスト教を広めないオランダと中国に限り、長崎で行うようにしました。この状態を「鎖国」といいます。ただし、朝鮮とは対馬藩を通じて、琉球とは薩摩藩を通じて、アイヌの人々とは松前藩を通じて交流がありました。
鎖国は「キリスト教を防ぎ、幕府が貿易を独占する」ため。相手はオランダと中国、場所は長崎。
中ごろ:改革と文化
三大改革と田沼意次
幕府の財政が苦しくなると、何度か政治の立て直し(改革)が行われました。
| 改革 | 中心人物 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 享保の改革 | 8代将軍 徳川吉宗 | 目安箱の設置、公事方御定書、新田開発、上げ米の制 |
| 寛政の改革 | 老中 松平定信 | ききんに備えて米をたくわえさせる、ぜいたくを禁止 |
| 天保の改革 | 老中 水野忠邦 | 株仲間の解散、ぜいたくを禁止 |
享保の改革と寛政の改革の間には、老中の田沼意次が、株仲間を認めて商人の力を利用し、商業をさかんにして財政を立て直そうとしました。
元禄文化と化政文化
| 文化 | 中心 | 主な人物 |
|---|---|---|
| 元禄文化(17世紀末〜18世紀初め) | 上方(京都・大阪) | 井原西鶴(浮世草子)、近松門左衛門(人形浄瑠璃の脚本)、松尾芭蕉(俳諧)、菱川師宣(浮世絵) |
| 化政文化(19世紀初め) | 江戸 | 葛飾北斎・歌川広重(浮世絵)、十返舎一九(『東海道中膝栗毛』) |
新しい学問
- 国学:本居宣長が『古事記伝』を書き、日本古来の考え方を研究した
- 蘭学:オランダ語で西洋の学問を学んだ。杉田玄白・前野良沢らが『解体新書』を出版した(1774年)
- 伊能忠敬:全国を歩いて測量し、正確な日本地図をつくった
また、庶民の子どもたちは、寺子屋で読み・書き・そろばんを学びました。
後半:開国と幕府の終わり
- 1853年:アメリカのペリーが、軍艦を率いて浦賀に来航し、開国を求める
- 1854年:日米和親条約を結び、下田と函館の2港を開く
- 1858年:大老の井伊直弼が、日米修好通商条約を結ぶ。函館・神奈川(横浜)・長崎・新潟・兵庫(神戸)の5港を開き、貿易が始まる
- 1867年:15代将軍の徳川慶喜が、大政奉還を行う
日米修好通商条約は、日本に関税自主権がなく、アメリカに領事裁判権(治外法権)を認める、不平等な条約でした。この不平等条約の改正は、明治時代の大きな課題になります。
よくあるまちがいと対策
- 三大改革の人物と内容を取りちがえる:表を作り、「吉宗=目安箱」「定信=米をたくわえる」「忠邦=株仲間の解散」と一言ずつ覚える
- 田沼意次を改革の人物と混同する:田沼は株仲間を認めた、水野忠邦は解散させた、と反対の政策で覚える
- 日米和親条約と日米修好通商条約を取りちがえる:和親は「2港を開く」、修好通商は「5港を開いて貿易」
- 元禄文化と化政文化の中心地を逆にする:元禄は上方、化政は江戸
家庭での覚え方のコツ
学習漫画や時代劇で流れをつかむ
江戸時代は、学習漫画やドラマの題材になることが多い時代です。まずは楽しみながら流れをつかみ、そのあと教科書や参考書で細かい知識を確認すると、覚えやすくなります。
人物カードを作る
徳川家康、家光、吉宗、田沼意次、松平定信、水野忠邦、井伊直弼、徳川慶喜など、主な人物ごとにカードを作り、表に名前、裏に「何をした人か」を書いてみましょう。親子でクイズを出し合うのもおすすめです。
浮世絵を見てみる
葛飾北斎の『富嶽三十六景』や、歌川広重の『東海道五十三次』は、美術館や図録、インターネットで見ることができます。実際の作品を見ると、文化の内容がぐっと記憶に残ります。
江戸時代のよくある質問
江戸時代は何年生で学びますか?
小学校の社会では、6年生で歴史を学びます。中学受験向けの教材では、5年生ごろから歴史に入り、江戸時代は5〜6年生で学ぶことが多い分野です。
年号はどこまで覚えればいいですか?
1603年(江戸幕府)、1639年(鎖国の完成)、1853年(ペリー来航)、1867年(大政奉還)などの、時代の区切りになる年号を中心に覚えましょう。そのほかは、だいたいの順番が分かれば十分なことが多いです。
産業や交通も出題されますか?
はい、五街道や、商業の発達(大阪の「天下の台所」)、農具の改良(備中ぐわ・千歯こき)なども出題されます。この記事の流れを押さえたうえで、参考書で確認しましょう。
江戸時代の家での進め方
- 江戸時代の始まりと終わり、全体の流れ
- 大名の区別、武家諸法度、参勤交代
- 鎖国
- 三大改革と田沼意次
- 元禄文化・化政文化、国学・蘭学
- 開国から大政奉還まで
練習問題にチャレンジ
問題1:参勤交代を制度として定めた将軍はだれですか。
問題2:目安箱を設置した改革を何といいますか。また、その中心人物はだれですか。
問題3:鎖国中に、日本が長崎で貿易を行った国を2つ答えましょう。
問題4:1867年に、徳川慶喜が政権を朝廷に返したことを何といいますか。
答え
問題1:3代将軍の徳川家光です。
問題2:享保の改革で、中心人物は8代将軍の徳川吉宗です。
問題3:オランダと中国です。
問題4:大政奉還です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:江戸時代は「前半・中ごろ・後半」で整理する
江戸時代は、前半に大名の区別・武家諸法度・参勤交代・鎖国で幕府のしくみを固め、中ごろに改革と文化・学問が発展し、後半に開国から大政奉還へと進みます。この3つの区切りで流れをつかんでから、人物やできごとを覚えていきましょう。
歴史全体の勉強の順番は時代の流れから覚える歴史の勉強法、江戸時代のあとは明治時代の改革と条約改正の覚え方で解説しています。楽しく学べる本は小学生の中学受験におすすめの学習漫画ランキングも参考にしてください。