「時計算の答えが、16と11分の4分みたいな変な分数になって、合っているのか不安になる」「長針と短針の角度の求め方を、どう説明すればいいのか分からない」
時計算は、時計の長針と短針の角度や、針が重なる時刻を求める問題です。中学受験の算数では、旅人算の応用としてよく出題されます。答えが分数になることが多く、苦手意識を持ちやすい単元ですが、針の動く速ささえ覚えてしまえば、解き方はとてもシンプルです。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、時計算の基本、角度を求める問題、針が重なる・直角になる・一直線になる時刻の求め方と、家での教え方をまとめました。
時計算の基本:針が1分に進む角度
時計算でまず覚えるのは、長針と短針が1分間に進む角度です。

- 長針:60分で1周(360°)するので、1分に360÷60=6°
- 短針:12時間で1周(360°)するので、1時間に360÷12=30°、1分に30÷60=0.5°
- 長針と短針の差:1分に6-0.5=5.5°
長針は短針より1分に5.5°速く進みます。この「5.5°」が、時計算でいちばん大切な数です。
時計算は「長針6°、短針0.5°、差は5.5°」。この3つの数で、ほとんどの問題が解けます。
「○時ちょうど」の角度
○時ちょうどのとき、長針は12を指しています。短針は、1時間に30°ずつ進むので、12から数えて「30°×○」の位置にあります。
たとえば、3時ちょうどの角度は30×3=90°、4時ちょうどは30×4=120°です。
角度を求める問題
例題1:3時20分のとき、長針と短針がつくる角度(小さいほう)は何度ですか。
12の位置から、時計回りに何度の位置にあるかを考えます。
- 長針:20分で6×20=120°の位置
- 短針:3時の位置(90°)から、20分で0.5×20=10°進むので、90+10=100°の位置
- 角度:120-100=20°
短針も少しずつ動いている、という点を忘れないようにしましょう。「3時20分なら、短針はちょうど3を指している」と考えて、120-90=30°としてしまうのが、もっとも多いまちがいです。
短針は、○時ちょうどの位置から「0.5°×分」だけ進んでいます。
180°より大きくなったら
計算した角度が180°より大きいときは、360°からひいて、小さいほうの角度を答えます。たとえば、長針と短針の位置の差が250°なら、小さいほうの角度は360-250=110°です。
長針と短針が重なる時刻
例題2:3時と4時の間で、長針と短針が重なるのは3時何分ですか。
3時ちょうどのとき、長針(12の位置)は、短針(3の位置)より90°後ろにいます。長針は1分に5.5°ずつ短針に近づくので、90°の差がなくなるのは、
90÷5.5=180÷11=16と11分の4分
答えは、3時16と11分の4分です。
時計算は、「長針が短針を追いかける旅人算」と考えると分かりやすくなります。はじめの差(角度)を、1分に縮まる角度(5.5°)でわれば、追いつくまでの時間が出ます。
5.5でわるときのコツ
5.5でわるときは、わられる数とわる数の両方を2倍して、「11でわる」と考えると計算が楽になります。90÷5.5は、180÷11と同じです。時計算の答えが「11分の○」になることが多いのは、このためです。
直角になる時刻
例題3:4時と5時の間で、長針と短針が直角(90°)になるのは、4時何分ですか。2つ答えましょう。
4時ちょうどのとき、長針は短針より120°後ろにいます。
1回目は、長針が短針に近づいて、差が90°になるときです。差を120°から90°まで、30°縮めればよいので、
30÷5.5=60÷11=5と11分の5分
2回目は、長針が短針を追いこして、短針より90°前に出たときです。長針は、120°追いついたうえに、さらに90°前に出るので、合わせて120+90=210°分、短針より多く進みます。
210÷5.5=420÷11=38と11分の2分
答えは、4時5と11分の5分と、4時38と11分の2分です。
直角になる時刻は、1時間に2回あることが多いので、「追いつく前」と「追いこした後」の2つを考えましょう。
一直線(180°)になる時刻
例題4:2時と3時の間で、長針と短針が一直線(反対向き)になるのは、2時何分ですか。
2時ちょうどのとき、長針は短針より60°後ろにいます。一直線になるのは、長針が短針を追いこして、180°前に出たときです。
(60+180)÷5.5=240÷5.5=480÷11=43と11分の7分
答えは、2時43と11分の7分です。
よくあるまちがいと対策
- 短針が動くのを忘れる:「○時○分」の短針の位置は、必ず「30×○+0.5×分」で計算する
- 5.5でわる計算でミスをする:2倍して11でわる
- 直角を1回しか答えない:「追いつく前」と「追いこした後」の2つを考える
- 180°をこえた角度をそのまま答える:360°からひいて、小さいほうの角度にする
家庭での教え方のコツ
本物の時計を回してみる
針を手で回せるアナログ時計(おもちゃの時計でも十分です)があれば、長針を1周させたときに、短針が1つ分(30°)しか動かないことを確かめてみてください。「長針が動くと、短針もちょっとだけ動く」ことを目で見ると、短針の0.5°が実感できます。
旅人算とつなげる
時計算は、円の上を走る2人の旅人算と同じです。長針が速い人、短針がおそい人で、1分に5.5°ずつ差が縮まる、と説明すると、旅人算を学んだ子はすぐに理解できます。
図を毎回かく
時計の円をかいて、はじめの長針と短針の位置、何度の差があるかを書きこんでから式を立てます。図をかくと、「追いつく」のか「追いこす」のかが分かり、ミスが減ります。
時計算は何年生で?家での進め方
時計算は、中学受験向けの教材では5年生ごろ、旅人算のあとに学ぶことが多い単元です。分数の計算と、旅人算の「差を縮める」考え方が前提になります。
塾なしで進める場合は、次の順番がおすすめです。
- 長針6°、短針0.5°、差5.5°を覚える
- ○時○分の角度を求める(例題1)
- 長針と短針が重なる時刻(例題2)
- 直角・一直線になる時刻(例題3・4)
1日2〜3問、時計の図をかいてから解く練習をしましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:6時10分のとき、長針と短針がつくる角度(小さいほう)は何度ですか。
問題2:8時20分のとき、長針と短針がつくる角度(小さいほう)は何度ですか。
問題3:9時と10時の間で、長針と短針が重なるのは9時何分ですか。
答え
問題1:長針は6×10=60°、短針は30×6+0.5×10=185°の位置です。185-60=125°です。
問題2:長針は6×20=120°、短針は30×8+0.5×20=250°の位置です。250-120=130°です。
問題3:9時ちょうどのとき、長針は短針より270°後ろにいます。270÷5.5=540÷11=49と11分の1分なので、9時49と11分の1分です。
時計算のよくある質問
時計算の答えが分数になるのは、正しいのですか?
はい、正しいことが多いです。長針と短針の速さの差が5.5°で、5.5でわると「11分の○」という分数になることがよくあるからです。答えが分数になったら、確かめとして、その時刻の長針と短針の位置を計算し、問題の条件(重なる、直角になるなど)を満たしているか調べてみましょう。
長針と短針が重なるのは、1日に何回ですか?
長針と短針は、12時間の間に11回重なります。11時と1時の間では、12時ちょうどに1回重なるだけで、ほかの時間帯のように1時間に1回ずつ重なるわけではないからです。1日(24時間)では、22回になります。このような「回数」を聞く問題も出題されることがあるので、理由まで説明できるようにしておくと安心です。
時計算が苦手な子は、何から練習すればいいですか?
まずは「○時ちょうど」と「○時○分」の角度を求める問題から始めてください。短針が少しずつ動くことを理解しないまま、重なる時刻の問題に進むと、混乱しやすくなります。角度の問題がすらすら解けるようになってから、旅人算の考え方を使う時刻の問題に進みましょう。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:時計算は「5.5°」の旅人算
時計算は、長針が1分に6°、短針が1分に0.5°進み、その差の5.5°ずつ長針が短針に近づく(はなれる)と考えれば解けます。角度の問題は短針の動きを忘れずに、時刻の問題は「はじめの差÷5.5」で求めましょう。
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