塾なし中学受験の家庭向け勉強法:通過算を教えます!鉄橋・トンネル・すれ違いの公式と図のかき方

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「鉄橋の問題で、列車の長さをたすのを忘れてしまう」「すれ違いと追いこしで、速さをたすのかひくのか分からなくなる」

通過算は、列車が電柱や鉄橋、トンネルを通りすぎるときの時間や長さを求める問題です。速さの単元の応用で、中学受験の算数ではよく出題されます。旅人算と似ていますが、「列車に長さがある」という点が大きなちがいで、ここでつまずく子がとても多い単元です。

この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、通過算の考え方を「先頭(または最後尾)の1点に注目する」というコツから整理し、基本の問題、すれ違い・追いこし、逆算、家での教え方をまとめました。

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目次

通過算のコツは「1点に注目する」

列車には長さがあるので、「列車がどれだけ進んだか」を考えるとき、列車全体を見ると混乱します。そこで、列車の先頭など1つの点に注目して、その点がどれだけ動いたかを考えます。

速さの基本の式は、通過算でもそのまま使えます。

  • 道のり=速さ×時間
  • 時間=道のり÷速さ
  • 速さ=道のり÷時間

通過算は「先頭がどれだけ進んだか」を図にかけば、速さの3つの式で解けます。

基本1:電柱(人)の前を通過する

例題1:長さ150mの列車が、秒速25mで走っています。電柱の前を通過するのに何秒かかりますか。

列車の先頭が電柱の前に来てから、最後尾が電柱の前を通りすぎるまでに、先頭は「列車の長さ」の分だけ進みます。電柱には長さがないと考えるからです。

150÷25=6秒です。

電柱や人の前を通過するとき、進むきょりは「列車の長さ」だけです。

基本2:鉄橋をわたる

例題2:長さ150mの列車が、秒速25mで、長さ350mの鉄橋をわたります。わたり始めてからわたり終わるまでに何秒かかりますか。

鉄橋をわたる列車の図。わたり始めから、わたり終わりまでに列車の先頭が進んだきょりは、鉄橋の長さと列車の長さの和になる

「わたり始め」は先頭が鉄橋に入ったとき、「わたり終わり」は最後尾が鉄橋を出たときです。図のように、その間に先頭が進んだきょりは、鉄橋の長さ+列車の長さです。

(350+150)÷25=500÷25=20秒です。

ここで列車の長さをたし忘れて「350÷25=14秒」と答えてしまうのが、もっとも多いまちがいです。必ず図をかいて、先頭の位置に印をつけて確かめましょう。

基本3:トンネルに完全にかくれている

例題3:長さ150mの列車が、秒速25mで、長さ500mのトンネルを通ります。列車が完全にトンネルの中にかくれている時間は何秒ですか。

「完全にかくれている」のは、最後尾がトンネルに入ってから、先頭がトンネルを出るまでです。その間に先頭が進むきょりは、トンネルの長さ-列車の長さです。

(500-150)÷25=350÷25=14秒です。

鉄橋やトンネルの問題は、「入り始め・入り終わり・出始め・出終わり」のどこからどこまでかを、問題文から正しく読み取ることが大切です。

聞かれていること先頭が進むきょり
電柱・人の前を通過列車の長さ
鉄橋・トンネルを通過(入り始めから出終わり)鉄橋(トンネル)の長さ+列車の長さ
トンネルに完全にかくれているトンネルの長さ-列車の長さ

この表も、覚えるより図で確かめられるようにしておきましょう。

逆算:列車の速さと長さを求める

例題4:ある列車が、電柱の前を8秒で通過し、長さ300mの鉄橋を20秒でわたりました。この列車の速さと長さを求めましょう。

2つの場面を並べて比べます。

  • 電柱:列車の長さを進むのに8秒
  • 鉄橋:鉄橋300m+列車の長さを進むのに20秒

ちがいは鉄橋の300mだけで、時間の差は20-8=12秒です。つまり、300mを12秒で進むので、速さは300÷12=秒速25mです。

列車の長さは、25×8=200mです。

確かめると、(300+200)÷25=20秒で、問題と合います。2つの場面の「差」に注目する考え方は、つるかめ算や和差算と同じです。

すれ違いと追いこし

2つの列車が出てくる問題は、旅人算の考え方を使います。

すれ違い(向かい合って進む)

例題5:長さ200m、秒速20mの列車Aと、長さ160m、秒速25mの列車Bが、向かい合って走っています。出会ってからはなれるまでに何秒かかりますか。

先頭どうしが出会ってから、最後尾どうしがはなれるまでに、2つの列車は合わせて「2つの列車の長さの和」だけ進みます。向かい合って進むので、1秒間に近づく(はなれる)きょりは、速さの和です。

(200+160)÷(20+25)=360÷45=8秒です。

追いこし(同じ向きに進む)

例題6:例題5の列車Aが列車Bに後ろから追いつかれ、追いこされます。Bの先頭がAの最後尾に追いついてから、Bの最後尾がAの先頭をはなれるまでに何秒かかりますか。

追いこしでも、進むきょりの差は「2つの列車の長さの和」です。同じ向きに進むので、1秒間に近づくきょりは、速さの差です。

(200+160)÷(25-20)=360÷5=72秒です。

すれ違いは「長さの和÷速さの和」、追いこしは「長さの和÷速さの差」です。

単位のそろえ方に注意

通過算では、列車の速さが「時速○km」、長さが「m」、時間が「秒」で出てくることがよくあります。計算の前に、単位をそろえましょう。

時速72kmは、1時間(3600秒)に72000m進む速さなので、72000÷3600=秒速20mです。

時速を秒速に直すには、「×1000÷3600」をします。時速36kmなら秒速10m、時速54kmなら秒速15mのように、よく出る速さは覚えておくと計算が速くなります。

家庭での教え方のコツ

消しゴムや紙で列車を動かす

机の上に、鉄橋に見立てた定規と、列車に見立てた消しゴムを置き、実際に動かしてみてください。消しゴムの先頭にペンで印をつけて、「わたり始め」から「わたり終わり」まで動かすと、先頭が「鉄橋+列車の長さ」だけ動いたことが目で分かります。

図は2つかく

通過算の図は、「はじめの場面」と「終わりの場面」の2つを、上下に並べてかくのがコツです。先頭の位置に印をつけ、その間のきょりに線を引けば、式がそのまま見えてきます。

旅人算を先に確認する

すれ違いや追いこしは、旅人算の「出会い」と「追いつき」の考え方そのものです。通過算でつまずいたら、いったん旅人算にもどると理解しやすくなります。

通過算は何年生で?家での進め方

通過算は、中学受験向けの教材では5年生ごろ、速さの単元のあとに学ぶことが多い単元です。速さの3つの式と、旅人算が身についていることが前提になります。

塾なしで進める場合は、次の順番がおすすめです。

  1. 電柱・人の前を通過する問題(例題1)
  2. 鉄橋・トンネルの問題(例題2・3)
  3. 2つの場面を比べる逆算(例題4)
  4. すれ違い・追いこし(例題5・6)
  5. 時速と秒速の単位変換をふくむ問題

1日2〜3問、必ず図をかいてから式を立てる練習をしましょう。

練習問題にチャレンジ

問題1:長さ120m、秒速15mの列車が、長さ480mの鉄橋をわたり始めてからわたり終わるまでに何秒かかりますか。

問題2:長さ180mの列車が時速54kmで走っています。電柱の前を通過するのに何秒かかりますか。

問題3:長さ180m、秒速18mの列車と、長さ150m、秒速15mの列車がすれ違います。出会ってからはなれるまでに何秒かかりますか。

答え

問題1:(480+120)÷15=600÷15=40秒です。

問題2:時速54kmは秒速15mです。180÷15=12秒です。

問題3:(180+150)÷(18+15)=330÷33=10秒です。

通過算のよくある質問

通過算と旅人算は、何がちがうのですか?

旅人算では、人や車を「点」として考えます。通過算では、列車に長さがあるので、列車を「点」ではなく「線」として考えなければなりません。ただし、先頭など1つの点に注目すれば、その点の動きは旅人算と同じです。通過算は「列車の長さの分だけ、進むきょりが変わる旅人算」と考えると理解しやすくなります。

鉄橋の問題で、列車の長さをたすのを忘れないコツはありますか?

問題を読んだら、「わたり始め」と「わたり終わり」の2つの場面を上下に並べて図にかき、列車の先頭に印をつける習慣をつけてください。印から印までの長さを見れば、鉄橋の長さだけでなく、列車の長さの分も進んでいることが自然に分かります。最初のうちは、式を書く前に必ず図をかく、というルールにしておくのがおすすめです。

通過算は入試でどのように出題されますか?

基本の鉄橋・トンネルの問題のほか、例題4のように2つの場面を比べて列車の速さと長さを求める問題、すれ違いと追いこしを組み合わせた問題などがよく見られます。速さの単位が時速と秒速でまざっていることも多いので、単位をそろえる練習も一緒にしておくと安心です。

練習プリント(無料)

この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。

中級の問題と「要点まとめ」がついたセット(10単元・A4で62ページ)は、noteで販売しています。この単元は「算数・特殊算パック①」に入っています。

まとめ:通過算は「先頭の動き」を図にかく

通過算は、列車の先頭など1点に注目して、その点がどれだけ進んだかを図で確かめれば、速さの基本の式で解けます。鉄橋は「鉄橋+列車」、トンネルに完全にかくれるのは「トンネル-列車」、すれ違いは速さの和、追いこしは速さの差。図をかく習慣が、いちばんのミス対策です。

速さの基本となる旅人算は出会い・追いつきの解き方と図のかき方、川の流れが出てくる問題は流水算の解き方で解説しています。動画で学びたいときは塾無し中学受験の無料YouTubeチャンネルおすすめランキングも参考にしてください。

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