「植木算って、+1するんだっけ、-1するんだっけ?」「公式を覚えたはずなのに、問題が変わると使えない」
植木算は、中学受験の算数の中では比較的やさしい特殊算です。ところが、「+1」「-1」のどちらを使うかで迷い、うっかりミスをしやすい単元でもあります。公式を丸暗記していると、池のまわりやテープのつなぎ目など、場面が変わったとたんに手が止まってしまいます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、植木算の考え方を「木の数」と「間の数」の関係から整理し、4つの基本パターン、応用問題、家での教え方をまとめました。
植木算とは?「木の数」と「間の数」の関係
植木算は、道に一定の間かくで木を植えるときの「木の数」と「間の数」の関係を使って解く問題です。
たとえば、長さ20mの道に5mおきに木を植えるとき、「間」は20÷5=4つできます。では、木は何本必要でしょうか。答えは、木をどこに植えるかで変わります。
植木算で大切なのは、公式より先に、「間の数」をまず求めることです。
- 間の数=全体の長さ÷間かく
- 木の数は、間の数をもとに、植え方に合わせて決める
植木算は「まず間の数」。木の数は、間の数を出してから考えます。
植木算の4つのパターン
植え方によって、木の数と間の数の関係は次の4つに分かれます。

| 植え方 | 木の数 |
|---|---|
| 両はしに植える | 間の数+1 |
| 片方のはしだけに植える | 間の数と同じ |
| 両はしに植えない | 間の数-1 |
| 池のまわり(円や輪) | 間の数と同じ |
この表を覚えるより、図をかいて確かめるほうが確実です。間が1つ、2つの小さな場合をかいてみると、「両はしに植えると木が1本多くなる」ことがすぐに分かります。
パターン1:両はしに植える
例題1:長さ60mのまっすぐな道に、はしからはしまで10mおきに木を植えます。木は何本必要ですか。
間の数は、60÷10=6つです。両はしに植えるので、木の数は6+1=7本です。
パターン2:両はしに植えない
例題2:例題1と同じ道で、両はしには木を植えないとき、木は何本必要ですか。
間の数は6つのままです。両はしに植えないので、6-1=5本です。
パターン3:池のまわり
例題3:まわりの長さが120mの池のまわりに、8mおきに木を植えます。木は何本必要ですか。
間の数は、120÷8=15です。池のまわりのように、ぐるりと1周してもとにもどる場合は、木の数と間の数が同じになります。答えは15本です。
まっすぐな道の「両はしに植える」場合と比べると、1周したときに最後の木と最初の木が重なるので、1本少なくなる、と考えると理解しやすくなります。
逆算の問題
例題4:まっすぐな道の両はしにも木を植えたところ、木は13本で、間かくは5mでした。道の長さは何mですか。
木が13本で両はしに植えているので、間の数は13-1=12です。道の長さは、5×12=60mです。
逆算のときも、「木の数→間の数→長さ」の順に考えます。いきなり13×5としないよう気をつけましょう。
植木算の応用問題
植木算の考え方は、木を植える問題以外にもよく使われます。問題文に「木」が出てこなくても、「区切り」と「区切られた部分」があれば植木算です。
テープのつなぎ目(のりしろ)
例題5:長さ20cmのテープを5本、のりしろを2cmにしてまっすぐつなぎます。全体の長さは何cmですか。
テープ5本をつなぐと、つなぎ目(のりしろ)は5-1=4か所です。これは「両はしに植えない」パターンと同じです。
- テープの長さの合計:20×5=100cm
- のりしろの合計:2×4=8cm
- 全体の長さ:100-8=92cm
テープを輪にしてつなぐ場合は、つなぎ目がテープの本数と同じ5か所になります。「池のまわり」と同じ考え方です。
丸太を切る
例題6:長さ4mの丸太を、50cmずつに切り分けます。1回切るのに3分かかるとすると、全部切り終わるのに何分かかりますか。
4mは400cmなので、400÷50=8本に分かれます。8本に分けるのに切る回数は、8-1=7回です。かかる時間は、3×7=21分です。
「本数」と「切る回数」は1ちがう、という点が植木算と同じです。
階段と建物の階
例題7:ある建物では、1つの階から上の階まで階段が20段あります。1階から4階まで上るには、何段上りますか。
1階から4階までは、4-1=3階分です。20×3=60段です。
「4階まで」だから20×4、としてしまうまちがいがとても多い問題です。1階から2階が1階分、と図で確かめると分かりやすくなります。
よくあるまちがいと対策
- 間の数を出さずに、いきなり「長さ÷間かく+1」としてパターンを取りちがえる:まず「間の数」を出し、次に植え方を確認する
- 池のまわりで+1してしまう:輪になっているかどうかを、問題文から必ず確認する
- 道の「片側」と「両側」を読み落とす:道の両側に植えるときは、片側の本数を2倍にする
- 単位をそろえない:m と cm がまざっている問題は、計算の前にそろえる
とくに「道の両側に」という条件は、読み落としやすいポイントです。問題文の条件に線を引く習慣をつけましょう。
家庭での教え方のコツ
指や小さな数で確かめる
植木算の考え方は、指で確かめられます。手を広げると、指は5本、指と指の間は4つです。「指が木、すき間が間」と教えると、「両はしに植えると、木は間より1つ多い」ことが体で分かります。
いきなり大きな数で考えない
「長さ600mの道に…」と大きな数が出てきたら、「長さ15mの道に5mおき」のように小さな数で図をかき、木の数と間の数の関係を確かめてから、もとの問題にもどります。この「小さな数で試す」習慣は、規則性の問題など、ほかの単元でも役立ちます。
身近なもので問題を作る
駅の階段、校庭の木、カレンダーの日数など、身の回りには植木算の考え方がたくさんあります。「3日から10日までは何日間?」という問題も、10-3+1=8日間で、両はしをふくむ植木算です。親子で問題を出し合うと、楽しく練習できます。
植木算は何年生で?家での進め方
植木算は、中学受験向けの教材では4年生ごろに学ぶことが多い単元です。わり算ができれば取り組めるので、特殊算の入り口としても向いています。
塾なしで進める場合は、次の順番がおすすめです。
- 指や図で、木の数と間の数の関係を確かめる
- 両はし・片方・両はしなし・池のまわりの4パターンを解く(例題1〜3)
- 木の数から長さを求める逆算(例題4)
- テープ・丸太・階段などの応用問題(例題5〜7)
1日2〜3問ずつ、パターンをまぜて出すと、「どのパターンか」を見分ける力がつきます。
練習問題にチャレンジ
問題1:長さ90mのまっすぐな道の片側に、はしからはしまで15mおきに木を植えます。木は何本必要ですか。
問題2:まわりの長さが200mの池のまわりに、25mおきにくいを立てます。くいは何本必要ですか。
問題3:長さ10cmの紙を8枚、のりしろを1cmにして横一列につなぎます。全体の長さは何cmですか。
答え
問題1:間の数は90÷15=6です。両はしに植えるので、6+1=7本です。
問題2:池のまわりなので、くいの数は間の数と同じです。200÷25=8本です。
問題3:紙の長さの合計は10×8=80cm、のりしろは8-1=7か所で7cmです。80-7=73cmです。
植木算のよくある質問
植木算の公式は覚えたほうがいいですか?
「両はしに植えるなら間の数+1」などの関係は、覚えておくと速く解けます。ただし、公式だけを覚えると、テープのつなぎ目や階段のように「木」が出てこない問題で、どの公式を使えばよいか分からなくなります。公式は「図で確かめた結果をまとめたもの」として覚え、迷ったら小さな数で図をかいて確かめる、という順番がおすすめです。
植木算がどうしても苦手な子には、どう教えればいいですか?
いきなり問題を解かせるより、紙に線を引き、ペンで木の印をつける作業から始めてみてください。「長さ10cmの線に2cmおきに印をつけると、印はいくつ?」と、実際にかいて数えさせます。数えた答えと、10÷2=5の間の数を比べると、「印は1つ多い」ことに自分で気づけます。自分で気づいたことは、教えられたことより忘れにくくなります。
植木算はほかの単元とどうつながりますか?
植木算の「区切りの数と、区切られた部分の数は1ちがう」という考え方は、規則性の問題(ご石の並べ方、マッチ棒の本数など)や、日数の計算、図形の周りに点を打つ問題などでもくり返し使います。植木算をしっかり理解しておくと、こうした問題でも「+1か-1か」で迷わなくなります。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
中級の問題と「要点まとめ」がついたセット(10単元・A4で62ページ)は、noteで販売しています。この単元は「算数・特殊算パック①」に入っています。
まとめ:植木算は「間の数」から考える
植木算は、「間の数」を求めてから、植え方に合わせて木の数を決める単元です。両はしに植えるなら+1、片方だけなら同じ、両はしに植えないなら-1、池のまわりなら同じ。公式を丸暗記するのではなく、小さな数で図をかいて確かめる習慣が、ミスを防ぐいちばんの近道です。
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