「りんごとなしの値段を求める問題で、どこから手をつければいいか分からない」「連立方程式を使わずに、どう教えればいいの?」
消去算は、2つ以上のものの値段や重さを、いくつかの組み合わせの情報から求める問題です。中学では連立方程式で解く内容ですが、中学受験では「そろえて、ひく」という考え方で、方程式を使わずに解きます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、消去算の基本の考え方、数をそろえる問題、おきかえの問題、3つの量の問題と、家での教え方をまとめました。
消去算とは?「そろえて、ひく」
例題1:りんご2個となし3個を買うと640円、りんご2個となし1個を買うと360円です。りんご1個、なし1個の値段はそれぞれ何円ですか。

2つの買い方を、上下に並べて書きます。
- りんご2個+なし3個=640円
- りんご2個+なし1個=360円
りんごの数は、どちらも2個でそろっています。上から下をひくと、りんごが消えて、
- なし2個=640-360=280円
- なし1個=280÷2=140円
なしの値段が分かったので、下の式にもどすと、りんご2個は360-140=220円、りんご1個は110円です。
確かめると、110×2+140×3=220+420=640円で、問題と合います。
このように、片方のものの数をそろえてひき、そのものを「消去」して解くので、消去算といいます。
消去算は「そろえて、ひく」。数がそろっているものを見つけて、消してしまいます。
数がそろっていないとき:何倍かしてそろえる
例題2:りんご3個とみかん2個で540円、りんご1個とみかん4個で380円です。りんご1個、みかん1個の値段はそれぞれ何円ですか。
このままでは、りんごもみかんも数がそろっていません。そこで、下の買い方を3倍して、りんごの数をそろえます。
| りんご | みかん | 代金 | |
|---|---|---|---|
| ア | 3個 | 2個 | 540円 |
| イ | 1個 | 4個 | 380円 |
| イ×3 | 3個 | 12個 | 1140円 |
「イ×3」から「ア」をひくと、りんごが消えて、
- みかん10個=1140-540=600円
- みかん1個=60円
イにもどすと、りんご1個は380-60×4=380-240=140円です。
確かめると、140×3+60×2=420+120=540円です。
何倍かするときは、「買う数も代金も、全部同じ倍にする」ことを忘れないようにしましょう。表にして書くと、倍にし忘れを防げます。
おきかえる問題(代入)
例題3:ノート1冊の値段は、えんぴつ2本の値段より20円高いそうです。ノート3冊とえんぴつ4本を買うと560円です。えんぴつ1本、ノート1冊の値段はそれぞれ何円ですか。
「ノート1冊=えんぴつ2本+20円」なので、ノートをえんぴつにおきかえます。
- ノート3冊=えんぴつ6本+60円
- ノート3冊+えんぴつ4本=えんぴつ10本+60円=560円
- えんぴつ10本=500円、えんぴつ1本=50円
- ノート1冊=50×2+20=120円
確かめると、120×3+50×4=360+200=560円です。
「AはBより○円高い」という条件があるときは、AをBにおきかえます。
3つの量の問題
例題4:AとBの重さの和は500g、BとCの和は700g、CとAの和は600gです。A、B、Cの重さはそれぞれ何gですか。
3つの式をすべてたすと、A、B、Cがそれぞれ2回ずつ出てきます。
- (A+B)+(B+C)+(C+A)=500+700+600=1800g
- A+B+Cの2倍が1800gなので、A+B+C=900g
ここから、それぞれの和をひきます。
- C=900-500=400g
- A=900-700=200g
- B=900-600=300g
確かめると、A+B=500g、B+C=700g、C+A=600gで、すべて合います。
入試レベル:「同じ代金」からおきかえる
例題5:えんぴつ3本とノート2冊の代金と、えんぴつ1本とノート3冊の代金は同じです。また、えんぴつ5本とノート1冊を買うと420円です。えんぴつ1本、ノート1冊の値段はそれぞれ何円ですか。
2つの買い方の代金が同じなので、両方からえんぴつ1本とノート2冊を取りのぞいても、残りは同じ代金です。
- 残り:えんぴつ2本=ノート1冊
ノート1冊は、えんぴつ2本と同じ値段だと分かりました。これを使っておきかえます。
- えんぴつ5本+ノート1冊=えんぴつ5本+えんぴつ2本=えんぴつ7本=420円
- えんぴつ1本=420÷7=60円、ノート1冊=60×2=120円
確かめると、えんぴつ3本とノート2冊は180+240=420円、えんぴつ1本とノート3冊は60+360=420円で、同じ代金になっています。
「同じ代金」「同じ重さ」という条件は、そのまま、てんびんのつり合いのように考えると分かりやすくなります。
よくあるまちがいと対策
- 何倍かするとき、代金を倍にし忘れる:表にして、行全体を倍にする
- ひく順番をまちがえて、マイナスになる:大きいほうから小さいほうをひく
- 1つの値段を出したところで終わってしまう:問題が「それぞれ」を聞いているか確認する
- 確かめ算をしない:最後に、出した値段を元の条件に当てはめる
家庭での教え方のコツ
絵や表で並べる
消去算は、図のように、りんごやなしを絵や四角で並べると、何が消えるのかが目で分かります。慣れてきたら、表にして整理する方法に進みましょう。
買い物ごっこで考える
実際の買い物で、「さっきのお店ではおにぎり2個とお茶1本で○円だったね」と話題にしてみてください。値段の組み合わせから、1つの値段を考える体験が、消去算の考え方につながります。
「そろえるもの」を先に決める
どちらを消すか迷ったら、「数をそろえやすいほう」を選びます。例題2なら、りんごは1個を3倍すれば3個でそろいますが、みかんは2個と4個なので、上を2倍しても同じようにそろいます。どちらを消しても答えは同じなので、計算が楽なほうを選びましょう。
消去算のよくある質問
消去算は連立方程式と同じですか?
考え方は同じです。中学で学ぶ連立方程式の「加減法」が、消去算の「そろえて、ひく」に、「代入法」が「おきかえ」にあたります。中学受験の段階では、文字を使わずに、表や図で考えれば十分です。ここで考え方を身につけておくと、中学の数学がぐっと楽になります。
3種類のものが出てくる問題も解けますか?
はい、同じ考え方で解けます。まず1種類を消して、2種類だけの関係を2つ作り、さらにもう1種類を消します。手順が長くなるので、表に書いて整理しながら進めるのがコツです。例題4のように、全部たすと計算が楽になる問題もあります。
消去算は何年生で学びますか?
中学受験向けの教材では、4〜5年生ごろに学ぶことが多い単元です。かけ算・わり算と、表で整理する力があれば取り組めます。
消去算の家での進め方
塾なしで進める場合は、次の順番がおすすめです。
- 数がそろっている問題で「ひく」ことを覚える(例題1)
- 何倍かしてそろえる問題(例題2)
- おきかえる問題(例題3)
- 3つの量の問題(例題4)
1日2〜3問、表にして解く習慣をつけましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:ケーキ1個とプリン2個で700円、ケーキ1個とプリン4個で1000円です。ケーキ1個、プリン1個の値段はそれぞれ何円ですか。
問題2:大人2人と子ども3人の入場料は2600円、大人1人と子ども1人の入場料は1100円です。大人1人、子ども1人の入場料はそれぞれ何円ですか。
問題3:AとBの和は80、BとCの和は110、CとAの和は90です。A、B、Cはそれぞれいくつですか。
答え
問題1:プリン2個が1000-700=300円なので、プリン1個は150円です。ケーキ1個は700-300=400円です。
問題2:下の式を2倍すると、大人2人と子ども2人で2200円です。上の式からひくと、子ども1人は2600-2200=400円です。大人1人は1100-400=700円です。
問題3:3つをたすと280で、A+B+C=140です。A=140-110=30、B=140-90=50、C=140-80=60です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:消去算は「そろえて、ひく」
消去算は、数がそろっているものを見つけてひき、片方を消して解く単元です。そろっていないときは何倍かしてそろえ、「○より○円高い」という条件があればおきかえます。表にして整理し、最後に確かめ算をすれば、ミスなく解けます。
ほかの特殊算は、つるかめ算の面積図での解き方や和差算の線分図での解き方で解説しています。動画で学びたいときは塾無し中学受験の無料YouTubeチャンネルおすすめランキングも参考にしてください。