「ガスバーナーの2つのねじのうち、どちらを先に開けるのか覚えられない」「上皿てんびんで、分銅を左右どちらにのせるのか迷う」
実験器具の使い方は、中学受験の理科で、どの分野の実験問題にも出てくる知識です。操作の順番や、その理由を問う問題がよく出ます。家で実際に器具を使う機会は少ないので、図と手順をセットで覚えておくことが大切です。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、よく出る実験器具の使い方と注意点をまとめました。学校の実験では、先生の指示にしたがって安全に行ってください。
ガスバーナー

ガスバーナーには、2つのねじがあります。
- 上のねじ:空気調節ねじ(空気の量を調節する)
- 下のねじ:ガス調節ねじ(ガスの量を調節する)
ねじは、上から見て反時計回り(左回り)に回すと開きます。
火をつける手順
- 2つのねじが閉まっていることを確かめる
- 元栓を開け、コックを開ける
- マッチに火をつけ、ガスバーナーの口の横から近づける
- ガス調節ねじを少しずつ開いて、火をつける
- ガス調節ねじで、炎の大きさを調節する
- ガス調節ねじをおさえたまま、空気調節ねじを開いて、青い炎にする
火をつけるときは「ガスが先、空気があと」。消すときは「空気が先、ガスがあと」と逆の順になります。
火を消す手順
空気調節ねじを閉める → ガス調節ねじを閉める → コックを閉める → 元栓を閉める、の順です。
炎の色
炎が赤っぽい(オレンジ色の)ときは、空気が足りません。空気調節ねじを開いて、青い炎にします。空気調節ねじは、炎のようすを見ながら少しずつ開きます。
上皿てんびん
重さをはかる手順(右ききの場合)
- 水平な台の上に置き、針が左右に等しくふれるように調節ねじで合わせる
- はかるものを左の皿にのせる
- 分銅を右の皿に、重いものから順にのせる
- 針が左右に等しくふれたら、分銅の合計がものの重さ
分銅はピンセットであつかいます。手でさわると、さびや汚れで重さが変わるからです。
決まった量の薬品をはかり取る手順(右ききの場合)
- 左の皿に、はかり取りたい量の分銅をのせる
- 右の皿に薬包紙をのせ、薬品を少しずつのせていく
- つり合ったところでやめる
左右の皿にのせるものが、重さをはかるときと逆になります。ききうでのほうで、少しずつ調節する作業をするからです。両方の皿に薬包紙をのせておきます。
使い終わったら、皿を一方に重ねて片づけます。皿を重ねるのは、うでが動かないようにして、てんびんをいためないためです。
メスシリンダー
- 水平な台の上に置く
- 液面のへこんだ部分の、下の面を真横から読む
- 最小の目もりの10分の1まで、目分量で読む
目もりを上から見て読むと、実際より多く読んでしまいます。
例題1:1目もりが1mLのメスシリンダーで、液面が42と43の間のちょうど真ん中にありました。何mLと読みますか。
最小の目もりの10分の1まで読むので、42.5mLです。
アルコールランプ
- アルコールは、ランプの8分目くらいまで入れる
- 火はマッチでつける。ほかのアルコールランプから火をうつさない
- 消すときは、ふたを横からかぶせる。息でふき消さない
アルコールランプは「ふたで消す」。消したあと、もう一度ふたを取ってからかぶせ直すと、ふたが取れにくくなるのを防げます。
試験管で液体を加熱する
- 液体の量は、試験管の4分の1くらいまでにする
- 試験管の口を、人のいるほうに向けない
- 試験管を軽くふりながら加熱する
- 急にわき立つのを防ぐため、沸騰石を入れる
そのほかの注意
- 薬品のにおいは、手であおぐようにしてかぐ
- 実験中は、保護めがねをかける
- 使った薬品は、決められた方法で処理する
例題2:薬品のにおいを調べるとき、直接鼻を近づけないのはなぜですか。
強いにおいや、体に害のある気体を、一度にたくさん吸いこまないようにするためです。
電子てんびんとろ過
電子てんびん
- 水平な台の上に置き、電源を入れる
- 入れ物をのせてから表示を0にすると、中身だけの重さがはかれる
- はかれる重さの上限をこえるものはのせない
ろ過のしかた
水にとけないものを、液体と分けるときにろ過を行います。
- ろ紙を折ってろうとにはめ、水でぬらしてろうとに密着させる
- ろうとの先のとがった方を、ビーカーの内側のかべにつける
- 液体は、ガラス棒を伝わらせて少しずつ注ぐ
ろ過は「ガラス棒を伝わらせる」「ろうとの先をビーカーのかべにつける」。液がはねるのを防ぎます。
よくあるまちがいと対策
- ガスバーナーで空気調節ねじから開ける:点火はガスが先
- 消すときもガスから閉める:消火は空気が先
- 上皿てんびんで分銅を軽いものからのせる:重いものから順に
- メスシリンダーを上から読む:真横から、へこんだ部分の下の面を読む
家庭での覚え方のコツ
動作をつけて手順を言う
「元栓、コック、マッチ、ガス、空気」と、手を動かしながら声に出して覚えましょう。消すときは「空気、ガス、コック、元栓」と逆の順で練習します。
計量カップで目もりを読む
家庭の計量カップに水を入れ、真横から目もりを読む練習をしてみてください。上から見たときとの読みのちがいも確かめられます。
「なぜ」をセットで覚える
「分銅をピンセットで持つのはなぜ?」など、理由をセットで覚えると、記述問題にも対応できます。
実験器具のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の理科では、学年に応じて、アルコールランプやガスこんろ、てんびん、メスシリンダーなどを使います。中学受験では、4〜6年生の実験問題の中でくり返し出てきます。
重さの単元でも使いますか?
はい、上皿てんびんや電子てんびん、メスシリンダーは、重さや体積をはかる問題で使います。ものの重さと密度もあわせて確認しましょう。
気体の実験とどうつながりますか?
気体の発生や集め方の実験でも、加熱の注意点が問われます。気体の性質で、実験の手順とあわせて確認しましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:ガスバーナーの2つのねじのうち、上にあるのは何のねじですか。
問題2:ガスバーナーの炎がオレンジ色のとき、どのねじをどうすればよいですか。
問題3:上皿てんびんで重さをはかるとき、分銅はどの順にのせますか。
問題4:アルコールランプの火はどのように消しますか。
答え
問題1:空気調節ねじです。
問題2:空気調節ねじを開いて、空気をふやします。
問題3:重いものから順にのせます。
問題4:ふたを横からかぶせて消します。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:実験器具は「順番」と「理由」で覚える
ガスバーナーは、点火のときはガスが先で空気があと、消すときは逆の順です。上皿てんびんは分銅を重いものからピンセットでのせ、メスシリンダーは真横から液面の下の面を読みます。手順だけでなく、その理由もセットで覚えておくと、実験問題に強くなります。