「星の動きの問題で、北の空と南の空の動き方が混ざってしまう」「同じ星座が、1か月後には何時に同じ位置に見えるのか分からない」
星と星座は、中学受験の理科の天体分野で、月と並んでよく出題される単元です。星座の名前や星の色を覚える知識問題に加えて、「何時間後にどこに見えるか」「1か月後には何時に見えるか」といった計算問題も出ます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、星の明るさと色、代表的な星座、星の動き方、季節による見え方の変化を整理し、家での覚え方をまとめました。
星の明るさと色
明るさ
星の明るさは、「等級」で表します。数字が小さいほど明るく、1等星は6等星のおよそ100倍の明るさです。夜空で肉眼で見えるのは、6等星くらいまでです。
色
星は、表面の温度によって色がちがいます。
- 青白い星:表面温度が高い(例:リゲル)
- 白い星:(例:シリウス、ベガ)
- 黄色い星:(例:太陽)
- 赤い星:表面温度が低い(例:ベテルギウス、アンタレス)
星の色は温度で決まる。青白い星ほど温度が高く、赤い星ほど温度が低い。
代表的な星座と1等星
夏の大三角
夏の夜、頭の上の高い空に見える、3つの明るい星を結んだ三角形です。
- こと座のベガ(織姫星)
- わし座のアルタイル(彦星)
- はくちょう座のデネブ
夏には、南の空の低いところに、赤い1等星アンタレスをもつさそり座も見えます。
冬の大三角
冬の夜、南の空に見える、3つの明るい星を結んだ三角形です。
- オリオン座のベテルギウス(赤)
- おおいぬ座のシリウス(白。夜空で最も明るく見える恒星)
- こいぬ座のプロキオン
オリオン座には、ベテルギウスのほかに、青白い1等星リゲルもあります。
星の動き方
星は、太陽や月と同じように、東の空からのぼり、南の空を通って、西の空にしずみます。これは、地球が西から東へ自転しているためです。地球は1日(24時間)で1回転するので、星は1時間に360÷24=約15°動いて見えます。
方角ごとの動き方
- 東の空:右ななめ上にのぼっていく
- 南の空:左(東)から右(西)へ動く
- 西の空:右ななめ下にしずんでいく
- 北の空:北極星を中心に、反時計回りに回る

北の空の星は、北極星を中心に、1時間に約15°ずつ反時計回りに回ります。北極星は、地球の自転の軸の延長線上近くにあるため、ほとんど動きません。
例題1:午後8時に、北の空に北斗七星が見えました。午後11時には、北斗七星は北極星を中心に、どちら回りに何度回った位置に見えますか。
3時間で、15×3=45°です。北の空なので、反時計回りに45°回った位置に見えます。
星は1時間に約15°動く。北の空は北極星を中心に反時計回り。
季節による見え方の変化
地球は、太陽のまわりを1年かけて回っています(公転)。そのため、同じ時刻に見える星の位置は、1日に約1°ずつ、1か月で約30°ずつ、西へずれていきます。
1時間に15°動くので、30°動くのは2時間分です。つまり、同じ位置に星が見える時刻は、1か月に約2時間ずつ早くなります。
例題2:ある日の午後10時に、南の空にオリオン座が見えました。1か月後、オリオン座が同じ位置に見えるのは何時ごろですか。
1か月で約2時間早くなるので、午後8時ごろです。
季節によって見える星座が変わるのは、このためです。夏の夜に見えるさそり座が冬に見えないのは、冬にはさそり座が昼間の空にあるからです。
北極星の高さと緯度
北極星の高さ(地平線からの角度)は、観察する場所の緯度とほぼ同じになります。北緯35°の東京付近では、北極星は北の空、高さ約35°のところに見えます。北へ行くほど北極星は高く見え、北極では真上に見えます。
南の空の星の動きの計算
例題3:午後9時に、オリオン座が真南の空に見えました。午後11時には、オリオン座はどちらの方角に何度動いた位置に見えますか。
2時間で、15×2=30°動きます。南の空の星は、東から西へ動くので、西の方へ30°動いた位置に見えます。
例題4:ある日の午後8時に真南に見えた星は、次の日の午後8時には、どの位置に見えますか。
同じ時刻に見える星の位置は、1日に約1°ずつ西へずれます。次の日の午後8時には、真南から約1°西にずれた位置に見えます。毎日少しずつずれていくので、1か月(約30日)で約30°、1年でちょうど1周して、もとの位置にもどります。
星の動きの計算では、「1時間に15°(地球の自転)」と「1日に1°(地球の公転)」の2つを区別して使うことが大切です。
よくあるまちがいと対策
- 北の空の回り方を時計回りと答える:北を向いて、右が東、左が西。星は東からのぼるので、北の空では反時計回り
- 1か月後の時刻を「遅くなる」と答える:同じ位置に見える時刻は、1か月に約2時間「早く」なる
- 星の色と温度を逆にする:「青白いほど熱い」と覚える
- 夏の大三角と冬の大三角の星を取りちがえる:星座名とセットで覚える
家庭での覚え方のコツ
実際に夜空を見る
晴れた夜に、親子で空を見上げてみましょう。冬ならオリオン座、夏なら夏の大三角は、街中でも見つけやすい星座です。1時間ほど時間をおいてもう一度見ると、星が動いていることが確かめられます。
星座早見やアプリを使う
星座早見盤や、スマートフォンの星空アプリを使うと、その日・その時刻に見える星座が分かります。星座早見盤を回すと、星が北極星を中心に回るようすがよく分かります。
時計の文字盤で考える
北の空の動きは、時計の針と反対向きに回る、とイメージすると覚えやすくなります。時計の短針は1時間に30°動くので、星の動き(1時間に15°)は、その半分の速さです。
星と星座のよくある質問
星と星座は何年生で学びますか?
小学校の理科では、4年生で星の明るさや色、星の動きを学びます。中学受験向けの教材では、4〜5年生ごろに学び、6年生で季節による変化の計算問題などに取り組みます。
星の動きの計算が苦手な子は?
まずは「1時間に15°」「1か月に30°(2時間)」の2つの数字を確実に覚えましょう。そのうえで、図に星の位置をかきこみながら解くと、どちら向きに動くかがまちがえにくくなります。
南半球での見え方も出ますか?
難関校では出ることがあります。南半球では北極星が見えず、南の空の星が、天の南極を中心に時計回りに回ります。まずは北半球(日本)での見え方を確実にしてから取り組みましょう。
星と星座の家での進め方
- 星の明るさと色
- 夏の大三角・冬の大三角、主な星座
- 方角ごとの星の動き方、北の空の動き(例題1)
- 季節による見え方の変化(例題2)
- 北極星の高さと緯度
練習問題にチャレンジ
問題1:夏の大三角をつくる3つの星の名前を答えましょう。
問題2:北の空の星は、2時間で北極星を中心に何度回りますか。
問題3:ある日の午後9時に南の空に見えた星座が、2か月後に同じ位置に見えるのは何時ごろですか。
問題4:赤い星と青白い星では、表面の温度が高いのはどちらですか。
答え
問題1:ベガ、アルタイル、デネブです。
問題2:15×2=30°です。
問題3:1か月に約2時間早くなるので、2か月で約4時間早くなり、午後5時ごろです(ただし、まだ空が明るい時刻なので、実際には見えにくいこともあります)。
問題4:青白い星です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:星は「15°」と「2時間」で考える
星は、地球の自転によって1時間に約15°動き、北の空では北極星を中心に反時計回りに回ります。また、地球の公転によって、同じ位置に見える時刻は1か月に約2時間ずつ早くなります。星の色は温度で決まり、代表的な星座は1等星とセットで覚えましょう。
月の動きは月の満ち欠けと見える時刻・方角、15°の考え方は時計算の長針と短針の角度で解説しています。楽しく学べる本は小学生の中学受験におすすめの学習漫画ランキングも参考にしてください。