「漢字の練習をしているのに、テストになると書けない」「同じ漢字を何回も書かせているけれど、効果があるのか分からない」
漢字は、中学受験の国語で、どの学校でも出題される分野です。読み書きの問題は、配点こそ大きくないことが多いものの、確実に点を取れる「落とせない問題」です。また、漢字の力は、読解問題で文章を正確に読む力の土台にもなります。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、漢字の忘れにくい覚え方、毎日の進め方、熟語の組み立てや同音異義語などの知識問題と、家での教え方をまとめました。
中学受験の漢字で問われること
中学受験の漢字では、次のような問題が出ます。
- 書き取り:文の中のカタカナを漢字に直す
- 読み:文の中の漢字の読みを答える
- 同音異義語・同訓異字:同じ読みの漢字や熟語を使い分ける
- 熟語の組み立て:二字熟語の漢字どうしの関係を答える
- 部首・画数・筆順
小学校で学ぶ漢字(学習漢字)は、1026字です。中学受験では、これらの漢字を、文の中で正しく使えるかが問われます。中には、小学校で習わない読み方や、中学で学ぶ漢字が出る学校もあります。
漢字は「文の中で使える」ことが大切。1字ずつではなく、熟語や短い文で覚えます。
忘れにくい覚え方のコツ
1字ずつではなく、熟語や文で覚える
漢字を1字だけで何回も書いても、テストで出る「文の中のカタカナ」と結びつかないことがあります。「シュウカン」なら「習慣」「週刊」「週間」と、熟語や例文で覚えると、使い分けまで身につきます。
書く回数より、思い出す回数
同じ漢字を10回書くより、「見ないで書く」練習を何日かに分けてくり返すほうが、記憶に残ります。
- 漢字を見て、意味と読みを確認する
- 1〜2回、ていねいに書く
- 何も見ずに書く
- 次の日、1週間後に、もう一度何も見ずに書く
書けなかった漢字だけを、印をつけてくり返し練習します。
部首と意味を手がかりにする
漢字の多くは、意味を表す部分(部首など)と、音を表す部分の組み合わせでできています。
- さんずい(氵):水に関係する(海、池、泳)
- きへん(木):木に関係する(林、板、柱)
- ごんべん(言):言葉に関係する(話、語、読)
- にんべん(亻):人に関係する(体、休、作)
部首の意味が分かると、同じ読みの漢字を書き分けるときの手がかりになります。
熟語の組み立て

二字熟語は、漢字どうしの関係によって、主に5つの型に分けられます。
| 型 | 例 |
|---|---|
| 似た意味の漢字を重ねる | 森林、岩石、救助 |
| 反対の意味の漢字を重ねる | 高低、左右、売買 |
| 上の字が下の字を説明する(修飾) | 青空、強風、急増 |
| 下の字が「〜を」「〜に」にあたる | 読書(書を読む)、登山(山に登る)、乗車(車に乗る) |
| 上に打ち消しの字(不・無・未・非)がつく | 不安、無理、未定、非常 |
型を見分けるときは、熟語を訓読みにして、文にしてみるのがコツです。「登山」は「山に登る」と読めるので、下の字が「〜に」にあたる型だと分かります。
熟語の組み立ては「訓読みにして文にする」と見分けやすくなります。
同音異義語と同訓異字
同音異義語(読みが同じ熟語)
読みが同じで、意味がちがう熟語です。
- 意外(思っていたこととちがう)/以外(それをのぞいたほか)
- 対象(目標となるもの)/対照(くらべ合わせること)/対称(つり合っていること)
- 関心(興味をもつこと)/感心(りっぱだと思うこと)
同訓異字(訓読みが同じ漢字)
訓読みが同じで、意味がちがう漢字です。
- 会う(人と会う)/合う(意見が合う)
- 計る(時間を計る)/測る(長さを測る)/量る(重さを量る)
- 治める(国を治める)/収める(利益を収める)/納める(税金を納める)/修める(学問を修める)
同音異義語と同訓異字は、意味の説明を読むだけではなかなか覚えられません。それぞれ短い例文を作り、文の中で使い分ける練習をしましょう。
よくあるまちがいと対策
- とめ・はね・はらいがあいまい:学校によっては細かく採点されるので、教科書の字の形を手本にする
- 送りがなをまちがえる:「必ず」「少ない」など、送りがなもふくめて覚える
- 似た形の漢字を取りちがえる(例:績と積、未と末):部首の意味で区別する
- 書けたつもりで、1週間後に忘れる:書けなかった漢字の「やり直しノート」を作り、時間をおいて復習する
家庭での教え方のコツ
毎日10分、少しずつ
漢字は、まとめて長時間やるより、毎日10分ずつ続けるほうが身につきます。朝食前や寝る前など、時間を決めて習慣にしてしまいましょう。
親子でクイズを出し合う
「『シュウカン』を漢字で書くと、いくつある?」「さんずいの漢字を5つ言ってみよう」など、親子でクイズを出し合うと、楽しく練習できます。
読書で漢字にふれる
本を読むと、漢字が文の中でどう使われているかに自然にふれられます。読めなかった漢字や意味の分からない言葉を、辞書で調べる習慣もつけておくと、語彙力が大きくのびます。
漢字のよくある質問
漢字の問題集は何を使えばいいですか?
中学受験向けの漢字問題集は、出題されやすい漢字を、短い文の形で練習できるものが多くあります。1冊を決めて、くり返し使うのがおすすめです。何冊も手を広げるより、1冊を完璧にするほうが、確実に力がつきます。
漢字はいつから始めればいいですか?
漢字は、学年に関係なく、早いうちから毎日の習慣にしておくのがおすすめです。学校で習う漢字を確実にしたうえで、4〜5年生ごろから中学受験向けの問題集に取り組むと、6年生で読解や過去問に時間をかけられます。
漢字がとても苦手な子は、どうすればいいですか?
まずは、学校で習った学年の漢字に戻って、読めるか・書けるかを確認してください。苦手な子は、前の学年の漢字があやふやなことが多いものです。書けない漢字だけを集めて、1日5字ずつなど、無理のない量から始めましょう。
漢字の家での進め方
塾なしで進める場合は、次の順番がおすすめです。
- 学校で習った漢字の読み書きを確認する
- 中学受験向けの問題集を1冊決め、毎日10分ずつ進める
- 書けなかった漢字を「やり直しノート」にまとめ、時間をおいて復習する
- 熟語の組み立て、同音異義語・同訓異字などの知識問題に取り組む
練習問題にチャレンジ
問題1:次の熟語の組み立ての型を答えましょう。(1)救助(2)売買(3)登山(4)未定
問題2:カタカナを漢字に直しましょう。(1)先生の話にカンシンする。(2)音楽にカンシンがある。
問題3:( )に入る漢字を選びましょう。「体重を(計・測・量)る」「時間を(計・測・量)る」
問題4:「さんずい」の漢字を3つ書きましょう。
答え
問題1:(1)似た意味の漢字を重ねる型(2)反対の意味の漢字を重ねる型(3)下の字が「〜に」にあたる型(山に登る)(4)上に打ち消しの字がつく型です。
問題2:(1)感心(2)関心です。「感心」はりっぱだと思うこと、「関心」は興味をもつことです。
問題3:体重は「量る」、時間は「計る」です。長さや広さは「測る」を使います。
問題4:海、池、泳、湖、流などです。どれも水に関係する意味を持っています。
答え合わせのときは、正解・不正解だけでなく、「なぜその漢字を使うのか」を一言で説明できるか確かめてください。説明できる漢字は、テストでも迷わずに書けます。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:漢字は「文の中で」「思い出す回数」で覚える
中学受験の漢字は、1字ずつではなく、熟語や短い文の中で覚えることが大切です。書く回数より、何も見ずに思い出す回数を増やし、書けなかった漢字は時間をおいて復習しましょう。熟語の組み立ては訓読みにして文にし、同音異義語は例文で使い分ける練習をすると、知識問題にも強くなります。
国語の言葉の知識はことわざ・慣用句・故事成語の覚え方、読解の考え方は中学受験の国語読解が苦手な子の原因と対策でも解説しています。家庭学習の教材選びは塾無しで目指す中学受験のおすすめ参考書ランキングも参考にしてください。