「意味が似ている言葉は分かるのに、文に入れるとどちらが合うか迷う」「原因の対義語が結果だと、なかなか出てこない」
類義語と対義語は、中学受験の国語で、語句の知識問題としてよく出る単元です。対義語を書く問題、類義語を選ぶ問題、文の中で正しい言葉を選ぶ問題などが出ます。説明文の読解でも、対になる言葉に気づくと、筆者の主張がつかみやすくなります。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、類義語と対義語の整理のしかたと、家での覚え方をまとめました。
類義語とは
意味が似ている言葉を、類義語といいます。
| 類義語 | 類義語 |
|---|---|
| 準備 | 用意 |
| 方法 | 手段 |
| 欠点 | 短所 |
| 体験 | 経験 |
| 価格 | 値段 |
| 案外 | 意外 |
| 進歩 | 向上 |
| 天然 | 自然 |
類義語は「似ている」けれど「同じ」ではありません。文によって、入れかえられないことがあります。
使い分けの例
- 「体験」と「経験」:「仕事の経験を積む」とはいうが、「仕事の体験を積む」とはあまりいわない
- 「準備」と「用意」:「心の準備」とはいうが、「心の用意」とはあまりいわない
- 「自然」と「天然」:「天然の真珠」とはいうが、「自然な笑顔」を「天然な笑顔」とはいわない
類義語の問題では、文に入れて読んでみて、自然に聞こえるかを確かめます。
対義語とは
意味が反対や対になる言葉を、対義語といいます。対義語には、次の3つの型があります。

1字が対になる型
1字は同じで、もう1字が反対の意味になっている形です。
- 最大⇔最小、入場⇔退場、直接⇔間接、主観⇔客観、積極⇔消極
全体が対になる型
2字とも別の漢字で、言葉全体として反対の意味になる形です。
- 原因⇔結果、権利⇔義務、生産⇔消費、理想⇔現実、単純⇔複雑
打ち消しの漢字がつく型
「不・無・非・未」がついて、反対の意味になる形です。
- 可能⇔不可能、有名⇔無名、常識⇔非常識、完成⇔未完成
対義語は「1字が対」「全体が対」「打ち消しがつく」の3つの型。型が分かると、思い出しやすくなります。
よく出る対義語
| 言葉 | 対義語 |
|---|---|
| 増加 | 減少 |
| 拡大 | 縮小 |
| 輸入 | 輸出 |
| 長所 | 短所 |
| 楽観 | 悲観 |
| 偶然 | 必然 |
| 具体 | 抽象 |
| 需要 | 供給 |
| 利益 | 損失 |
| 延長 | 短縮 |
「具体⇔抽象」「需要⇔供給」「主観⇔客観」は、説明文によく出てくる言葉です。意味もあわせて確かめておきましょう。
対義語は1つとは限らない
1つの言葉に、対義語が2つ以上あることもあります。
- 「上手」の対義語は「下手」。「得意」の対義語は「苦手」
- 「高い」の対義語は、「高い山」なら「低い」、「高いねだん」なら「安い」
文の中で、どの意味で使われているかを考えて選びます。
文の中で確かめる
例題1:次の文の( )に、「原因」の対義語を入れましょう。「毎日練習した( )、試合で勝つことができた。」
答えは「結果」です。「原因」と「結果」は、全体が対になる型の対義語です。
例題2:次の文の( )に入る言葉として、「経験」と「体験」のどちらがふさわしいですか。「長年の( )を生かして働く。」
「経験」です。積み重ねてきたものを表すときは「経験」を使うのが自然です。
説明文によく出る対義語の意味
説明文では、むずかしい対義語がよく使われます。組だけでなく、意味も言えるようにしておきましょう。
| 対義語 | 意味 |
|---|---|
| 具体⇔抽象 | 具体は、形や内容がはっきりしていること。抽象は、いくつかのものから共通する性質をぬき出して考えること |
| 主観⇔客観 | 主観は、自分だけの見方や考え。客観は、だれから見ても同じように考えられること |
| 需要⇔供給 | 需要は、ものを買いたいと思う量。供給は、ものを売るために出す量 |
| 理想⇔現実 | 理想は、こうあればよいと考える状態。現実は、実際の状態 |
「具体例を挙げる」「客観的に考える」のように、説明文や問題文によく出てくる言い方です。
類義語の問題の解き方
類義語を選ぶ問題では、次の順で考えます。
- 言葉の意味を、自分の言葉で言いかえてみる
- 選択肢の言葉を、元の文に入れて読んでみる
- 意味が変わらず、自然に読めるものを選ぶ
例題3:「意外な結果になった」の「意外」と、ほぼ同じ意味の言葉はどれですか。(ア:案外 イ:以外 ウ:当然)
答えはアの案外です。イの「以外」は「それをのぞいたほか」という意味の別の言葉で、ウの「当然」は反対に近い意味です。
類義語は「文に入れて読む」。同じ読みの別の言葉(意外と以外)にも注意します。
ひらがなの言葉の対義語
対義語は熟語だけではありません。ふだん使う言葉にも、対になるものがたくさんあります。
- 重い⇔軽い、深い⇔浅い、厚い⇔うすい
- 増える⇔減る、勝つ⇔負ける、集める⇔散らす
- 「あまい」の対義語は、味なら「からい」や「にがい」、考え方なら「きびしい」
ひらがなの言葉も、意味によって対義語が変わることがあります。
よくあるまちがいと対策
- 類義語は何にでも入れかえられると考える:文に入れて、自然かを確かめる
- 対義語を1つだけ覚えて終わる:意味によって対義語が変わることがある
- 打ち消しの漢字をまちがえる:「不・無・非・未」のどれがつくかをセットで覚える
- 意味を知らずに組だけ覚える:例文の中で使ってみる
家庭での教え方のコツ
「反対は?」クイズ
食事中や移動中に、「増加の反対は?」とクイズを出し合いましょう。短い時間でも、くり返すことで定着します。
説明文で対になる言葉を探す
読解の問題を解いたあと、文章の中から「対になる言葉」を探してみてください。「昔と今」「自然と人工」など、筆者がくらべている言葉に気づけるようになります。
例文ノートを作る
類義語は、使い分けの例文を1つずつノートに書きましょう。例文があると、入れかえられるかどうかの判断がしやすくなります。
類義語と対義語のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の国語では、学年ごとに、似た意味や反対の意味の言葉を学びます。中学受験向けの教材では、4〜6年生の語句の学習でくり返し出てきます。
熟語の組み立てとどうつながりますか?
「最大」「最小」のように、熟語の組み立てを知っていると、1字が対になる型が見つけやすくなります。熟語の組み立てとあわせて確認しましょう。
漢字の書き取りでも出ますか?
はい、対義語を漢字で書かせる問題もよく出ます。漢字の覚え方の方法で、書けるところまで練習しておきましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:「権利」の対義語を答えましょう。
問題2:「可能」の対義語を答えましょう。
問題3:「方法」の類義語を、「手」で始まる2字の熟語で答えましょう。
問題4:「拡大」の対義語を答えましょう。
答え
問題1:義務です。
問題2:不可能です。
問題3:手段です。
問題4:縮小です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:類義語は「文で確かめ」、対義語は「型で覚える」
類義語は意味が似ていても、文によっては入れかえられないので、例文で使い分けを確かめましょう。対義語は、1字が対になる型、全体が対になる型、打ち消しの漢字がつく型の3つに分けると覚えやすくなります。説明文の読解でも、対になる言葉に注目してみてください。