「1辺6個の正方形のまわりの数を、6×4=24と答えてしまう」「中空方陣の個数の求め方が、何通りもあって混乱する」
方陣算は、中学受験の算数の文章題で、碁石やおはじきを正方形に並べたときの個数を考える単元です。まわりの個数、全体の個数、中がからっぽの「中空方陣」、並べかえたときにあまりや不足が出る問題などが出題されます。
方陣算は、図をかいて「かどを2回数えない」ことに気をつければ、確実に得点できる単元です。この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、方陣算の基本と、よく出るパターンの解き方をまとめました。
方陣算の基本
碁石などを、たてと横に同じ数ずつ並べて正方形の形にしたものを「方陣」といいます。
- 中実方陣:中までびっしりつまった方陣。全体の個数は「1辺×1辺」
- 中空方陣:中がからっぽの方陣
中実方陣の全体の個数は「1辺の個数×1辺の個数」です。
まわりの個数

1辺に6個並んだ正方形のまわりの個数を、6×4=24個とするのは、まちがいです。4つのかどの碁石を、2回ずつ数えてしまうからです。
まわりの碁石を、上の図のように「(1辺-1)個ずつ、4つのグループ」に分けると、かどを1回ずつ数えられます。
まわりの個数=(1辺の個数-1)×4
1辺6個なら、(6-1)×4=20個です。
まわりの個数は「(1辺-1)×4」。1辺×4から、かどの4個を引いても同じです。
例題1:碁石を1辺8個の正方形にすき間なく並べました。全体の個数と、いちばん外側の個数を求めましょう。
全体は8×8=64個です。いちばん外側は、(8-1)×4=28個です。
まわりの個数から1辺を求める
例題2:正方形に並べた碁石のいちばん外側の個数が36個でした。1辺に何個並んでいますか。
まわりの個数=(1辺-1)×4 なので、1辺-1=36÷4=9です。1辺は9+1=10個です。
厚みのある中空方陣
中がからっぽで、まわりに何列かの厚みがある方陣の個数は、次のどちらかで求めます。
- 方法1:外側の正方形の個数から、中のからっぽの正方形の個数を引く
- 方法2:長方形4つに分けて求める(1つの長方形は、たてが厚み、横が「1辺-厚み」)
例題3:1辺10個で、厚みが2列の中空方陣をつくります。碁石は全部で何個必要ですか。
方法1:外側は10×10=100個です。中のからっぽの正方形の1辺は、10-2×2=6個なので、6×6=36個です。100-36=64個です。
方法2:長方形1つは、2×(10-2)=16個です。4つで16×4=64個です。
中空方陣は「外側の正方形-中の正方形」か「長方形4つ」。2つの方法で答えが合えば安心です。
中の正方形の1辺を求めるときは、両側から厚みの分を引くので「1辺-厚み×2」になる点に注意しましょう。
あまりと不足の問題
例題4:碁石を正方形に並べたところ、12個あまりました。そこで、たてと横を1列ずつ増やして正方形に並べようとしたところ、9個たりませんでした。碁石は全部で何個ありますか。
たてと横を1列ずつ増やすのに必要な碁石は、あまった12個と、たりない9個を合わせた21個です。
1辺がn個の正方形を、1辺n+1個にするには、「n個の列を2つと、かどの1個」を足すので、2×n+1個が必要です。2×n+1=21なので、n=10です。
はじめの正方形は10×10=100個で、12個あまったので、碁石は100+12=112個です。
確かめると、1辺11個の正方形には121個必要で、112個では9個たりず、合っています。
1列ずつ増やすのに必要な数は「はじめの1辺×2+1」。あまりと不足を足した数と等しくなります。
2色で交互に並べる問題
方陣の外側から、白・黒の碁石を1周ずつ交互に並べる問題もよく出ます。
例題5:1辺7個の中実方陣を、いちばん外側を白、その内側を黒、さらにその内側を白…と、1周ずつ交互に並べます。白の碁石は何個ありますか。
1辺の個数は、外側から7個、5個、3個、1個(まん中の1個)と2個ずつ減ります。各周の個数は、(7-1)×4=24個、(5-1)×4=16個、(3-1)×4=8個、まん中1個です。白は外から1周目と3周目なので、24+8=32個です。
確かめると、黒は16+1=17個で、32+17=49=7×7となり、合っています。
内側の周は、1辺が2個ずつ減ります。まん中が1個になるか、4個になるかに注意します。
よくあるまちがいと対策
- まわりの個数を「1辺×4」にする:かどを2回数えている
- 中空方陣で、中の正方形の1辺を「1辺-厚み」にする:両側から引くので「1辺-厚み×2」
- 1列増やすのに必要な数を「1辺×2」にする:かどの1個を足し忘れている
- あまりと不足の問題で、ひき算をする:増やすのに必要な数は「あまり+不足」
家庭での教え方のコツ
おはじきや碁石を並べる
実際に、おはじきや碁石を正方形に並べてみましょう。まわりを数えるとき、かどを2回数えてしまうことが、自分の手で確かめられます。
方眼紙に色をぬる
方眼紙に方陣をかき、まわりの4つのグループを色分けしてぬってみてください。(1辺-1)×4の意味が、目で見て分かります。
2つの方法で確かめる
中空方陣は、「外側-中」と「長方形4つ」の2つの方法で計算し、答えが同じになるかを確かめる習慣をつけましょう。
方陣算のよくある質問
何年生で学びますか?
中学受験向けの教材では、4〜5年生ごろに学ぶことが多い単元です。かけ算とわり算ができれば取り組めます。
植木算とどう関係しますか?
「かどを2回数えない」という考え方は、池のまわりに木を植える植木算と同じです。植木算もあわせて確認しましょう。
規則性の問題でも出ますか?
はい、碁石を正方形に並べていくとき「○番目の正方形には何個必要か」という形で、規則性の問題としても出ます。規則性の問題もあわせて練習しましょう。
方陣算の家での進め方
- 中実方陣の全体の個数
- まわりの個数(例題1)
- まわりの個数から1辺を求める(例題2)
- 厚みのある中空方陣(例題3)
- あまりと不足の問題(例題4)
練習問題にチャレンジ
問題1:碁石を1辺12個の正方形に並べたとき、いちばん外側の個数は何個ですか。
問題2:正方形に並べた碁石のいちばん外側の個数が48個でした。1辺に何個並んでいますか。
問題3:1辺9個で、厚みが3列の中空方陣をつくるには、碁石は何個必要ですか。
問題4:碁石を正方形に並べたところ、5個あまりました。たてと横を1列ずつ増やそうとしたところ、8個たりませんでした。碁石は全部で何個ありますか。
答え
問題1:(12-1)×4=44個です。
問題2:48÷4+1=13個です。
問題3:外側は9×9=81個、中の正方形の1辺は9-6=3個で9個です。81-9=72個です。
問題4:増やすのに必要なのは5+8=13個なので、はじめの1辺は(13-1)÷2=6個です。6×6+5=41個です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:方陣算は「かどを2回数えない」
方陣算は、まわりの個数を「(1辺-1)×4」で求め、かどを2回数えないことが基本です。中空方陣は「外側-中」か「長方形4つ」で求め、1列増やすのに必要な数は「1辺×2+1」です。図や碁石で確かめながら、式の意味を理解しましょう。